【まだ手に届くアナログ体験】ポルシェ911(964型) 英国版中古車ガイド ATも悪くない

公開 : 2021.03.09 08:25  更新 : 2021.07.12 18:45

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

オリジナル状態の964の方が価値は高い。ターボやRS風のボディキットが付いているカレラは、選ばない方が良いだろう。

フロントガラスやリアガラスの底辺は錆びやすいものの、それ以前の911より耐久性はある。ポルシェで施されたアンダーシールは効果的だったが、新車時のままなら一度剥がして再処理してもいい。特にフェンダーの内側は。

ポルシェ911(964型/1989〜1993年)
ポルシェ911(964型/1989〜1993年)

カブリオレの場合、フード周りの劣化で雨漏りすることがある。修理は高額になりがちだ。

エンジン

ロッカーカバーやタイミングチェーン・カバーからのオイル滲みは想定内。しかし一定の量が漏れ続けている場合、エンジンのリビルトや再シールが必要になるだろう。

2基のディストリビューターは、切れることもあるベルトでリンクされている。ここに不具合が起きると、内部損傷を招くことも。予めベルトの確認はしておきたい。

エンジンヘッドのスタッドボルトの状態にも注意。折れると、高額の修理費につながる可能性がある。

サスペンションとステアリング

角の丸い乗り心地は高い評価を得ていたが、現代の911と比較すれば硬く感じられるだろう。振動が大きい場合、ブッシュ類が寿命かもしれない。あるいは、ダンパー交換が必要かも。

フロント側の車高は高めだったこともあり、多くのクルマは車高が落とされ、ハンドリングを改善させている。パワーステアリングはリザーバーとポンプの間のゴム製シールから漏れる場合がある。ユニットを外したら、すべてのOリングを交換したい。

電装系

ABSの不具合は四輪駆動の964では一般的。高価なコントロールユニットの交換を決断する前に、トランスミッション・トンネル内にある加速度計の接続や、配線の状態を確認した方がいい。

エアコンの不具合も一般的。コントロールユニットは高価なので、予め試乗で送風温度を確かめておきたい。

専門家の意見を聞いてみる

アドリアン・クロフォード ウイリアムズ・クロフォード代表

「964を探すなら、事前にしっかり情報を集めて、直近の整備記録などを中心に確認しておきたいですね。定期的なメンテナンス以上の、賢明なアップグレードは良い状態を示すサインでもあります」

ポルシェ911(964型/1989〜1993年)
ポルシェ911(964型/1989〜1993年)

「多くの人が、最低限のメンテナンスだけで乗っているようです。それでも、整備記録は充分として売りに出されます。最近の主要な整備内容から、販売店が964のことを理解しているかどうかも確かめた方が良いでしょう」

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