【評価割れる】マツダMX-30 EV乗り味 「制御」で好き嫌い? EV版「人馬一体」の解釈

公開 : 2021.03.23 05:45  更新 : 2021.10.20 17:32

マツダの味付けの合う合わない

これまでのEVは、電気モーターの基本的な特性を活かした味付けがされている。停止状態からの発進は鋭く加速し、テレビCMでおなじみのEVが「キュイーン」という高い周波数の音を奏でて走るのがEVの概念の1つだったであろう。

1980年代に流行った近未来SFアニメに登場した、電気を動力としたあのバイクをはじめとするEVの走りのイメージが、令和のいまになってそのままの概念のようになってしまっているきらいもある。

マツダMX-30
マツダMX-30

筆者もその1人である。初めて日産リーフに乗ったときは「あー、EVって、これだよ」と近未来的な乗り味に舌鼓を打ったものだ。

さて、マツダMX-30 EVの味付けはどうだったか?

マツダはエンジン車に近い乗り味と、EVらしい音をていねいに抑え込み、車から発生するさまざまな音を整えたものだった。

この味付けが、モータージャーナリスト陣、メディア陣のお口に合ったか、合わなかっただけだったのではないか、と筆者は分析する。

ふと、2019年開催のオートモーティブワールドで、旭化成が参考出品していた、EVにレクサスLFAのV10や、フェラーリのV12エンジン音を発生させるシステムがあったことを思い出した。

録音された音ではドライバーの操作とあわなくなるので、アクセルやブレーキなどの操作に調和したエンジン音を擬似的に発生させるしくみだった。筆者はデモカーに乗ってその音をたしかめたのだが、相当にリアルであった。

もしかすると、マツダRX-7のロータリーの出力特性と、エンジン音を復活させたスポーツEVが出るのかも、と変な期待に胸を膨らませてしまった。

しかし、エンジン車らしい乗り味のEVがあって然るべきだろう。

MX-30 EVは、クルマの電動化という大きな課題に対してマツダらしい答えを出し、世の中に新しいEVの姿を見せてくれたことには間違いない。

記事に関わった人々

  • 宇野智

    Satoru Uno

    1974年生まれ。前職はSE兼営業で副業が物書き。自動車ウェブメディア編集長を経て、2021年2月からフリー。現在の基礎はカタログ少年時代、食事中はTVを見るより諸元表を見ていたことに始まる。陸海空の乗り物全般と猫とカメラとガジェットをこよなく愛する。取材/執筆/撮影/編集はもはやライフワークに。結果、キャパオーバーで自爆すること多数。

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