【伝統と現代と融合】フォルクスワーゲン・ゴルフ(2) 長期テスト ポルシェ911に通じる点

公開 : 2021.04.11 09:45  更新 : 2021.07.12 18:55

純EVへの本格的なシフトが進む現在、8代目VWゴルフはバランスに優れたファミリー・ハッチバックといえるのか。長期テストを通じて確かめます。

積算836km シンプルなインテリア

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
8代目フォルクワーゲン・ゴルフのシンプルなインテリアデザインは、かなり前衛的なところにある。デュアルクラッチAT、DSGのシフトノブですら、シンプルで短い。

実際に操作してみると扱いやすく、動かした時の感触も良い。DからRへの切り替えも、フリック1つで簡単だ。

フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

反面、取り付けられている位置が低く、運転中は目に入りにくいことも確か。うっかり間違って、電動ハンドブレーキをかけてしまうことが先日あった。

積算1105km ポルシェ911に通じるところ

最新のフォルクワーゲン・ゴルフとポルシェ911。どちらもフォルクワーゲン・グループの基幹モデルであり、両ブランドを支える代表的な2台だ。しっかりと現代へ進化を続けながら、長く続く伝統にも忠実だという特長がある。

先日、筆者は英国ポルシェの本社へ向かい、長期テストのゴルフと最新911との対面を果たした。911タルガ4Sのヘリテージ・エディションへの試乗が目的で、比較テストするためではない。

フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

一般道を法定速度を守って運転している限り、911がゴルフより先に目的地へ到着することはないはず。でも、クラシカルなスタイリングの911ヘリテージ・エディションなら、多くの人の注目を集めながらさっそうと到着できる。

同時に高速道路を流すような場面では、フォルクワーゲン・ゴルフのモダンで控えめな上質さを改めて実感させられた。もちろん多くの燃料を燃やし、多くのエグゾーストノートを放つのはポルシェの方だ。

モダンな技術で安心・快適な運転を提供

ポルシェ911は、アナログのタコメーターと時計、デジタルのインフォテイメント・システムなどがダッシュボードで融合し、伝統と現代とがバランスしている。他方、ゴルフの車内には初代を彷彿とさせるようなレトロ感はない。

ただし、新しい技術を採用しながら安心で快適な運転を提供するという点では、ゴルフのご先祖と共通している。特にマイルド・ハイブリッドを採用した、1.5 eTSIのパワートレインが筆者にそう感じさせた。

フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5 eTSI ライフDSG(英国仕様)

ガソリンエンジンと電気モーターが組み合わさり、上質さと効率を1ランク高めている。電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーターは、低回転域からトルクを加算。1.5Lガソリン・ターボエンジンの効率もイイ。

惰性走行時にはエンジンは自動的に停止し、低負荷時には4気筒のうち2気筒の休止も行なう。これらが組み合わさり、優れた燃費へと反映されている。

システムの動作は非常に穏やかに行われ、2気筒状態になったことやエンジンが停止したことに気付けないほど。モニター式のメーターパネルの燃費表示を見て、その変化を推測するしかないようだ。

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