新型VW『ゴルフ』に5気筒エンジン搭載へ 出力は400ps超? アウディRS3から移植
公開 : 2025.09.03 06:45
フォルクスワーゲンは『R』ブランド誕生25周年記念として、2.5L 5気筒ターボを搭載した『ゴルフR』を2027年に発売する計画です。アウディRS3と同等のハイパフォーマンスが見込まれます。
Rブランド誕生25周年記念
フォルクスワーゲンは、これまでで最もパワフルな『ゴルフ』の派生モデルを開発している。アウディRS3と同じターボチャージャー付き2.5L 5気筒ガソリンエンジンを搭載する計画である。
このモデルは高性能車ブランド『R』の25周年を記念する特別仕様車として、2027年に登場する見込みだ。『EA855』5気筒エンジンの搭載により、従来モデルから大幅な性能向上を実現するだろう。

現行のゴルフRはフォルクスワーゲンの定番エンジン『EA888』2.0Lターボ直列4気筒(333ps/40.8kg-m)を搭載するが、まもなく生産終了予定のアウディRS3は2.5Lターボ直列5気筒(400ps/48.9kg-m)を積んでいる。
このエンジンをゴルフに採用することで、0-100km/h加速タイムは現行最速のR 333の4.6秒を切るだろう。
出力はさらに向上する可能性がある。アウディ・スポーツの元マネージング・ディレクターであるセバスチャン・グラムス氏は2023年、AUTOCARに対し「5気筒エンジンにはまだ発展の余地がある」と語っていた。同年に発売された世界限定300台のRS3パフォーマンス・エディションは、最高出力406psと最大トルク51.0kg-mを発生するが、実際にはこれ以上のポテンシャルを秘めているのだという。
5気筒エンジンは、フォルクスワーゲン・グループ傘下のクプラ・フォーメンターVZ5など、他のモデルにも採用されている。
2026年11月のユーロ7適用開始後もエンジンを継続使用するため、ユニットの改良が行われる。変更点としては、新型のパティキュレートフィルター、高感度NOxセンサー、インジェクションマッピングの再調整、セル密度の高い触媒の採用などが予想される。
足回りも大幅強化、専用デザイン採用へ
新しいエンジンの搭載に伴い、増加した重量を支えるためサスペンションの調整が必要となる。
ゴルフR 333ではすでに、フロントキャンバーの1.5度ネガティブ化、リアサブフレームマウントの強化、アダプティブダンパー専用ソフトウェアキャリブレーション、ブッシュ変更などを実施している。5気筒を積むとなれば、さらなるキャンバーの調整、トップマウントの強化、ナックル補強、シャシーブレースの追加が行われる可能性がある。

車両重量も現行ゴルフRの1545kgから若干増加すると見込まれる。RS3が約1570kgであることを考慮すると、5気筒ゴルフRは約25kg増加することになるかもしれない。
増大したパワーと重量に対応するため、ブレーキの強化も必要となるだろう。参考までに、ゴルフR 333は357mm径のスチールディスク、RS3は380mm径カーボンセラミックディスクを使用している。
取材で得た情報によれば、ギア比やローンチコントロールなどを調整した7速デュアルクラッチ・トランスミッションを搭載するようだ。さらに、RS3のトルクスプリッター(機械式トルクベクタリングリアデフ)も採用される見込みである。
スタイリングの変更も予想される。欧州で目撃されたテスト走行中のプロトタイプでは、ボンネットに新たな吸気口が設けられ、フロントエンドの吸気口も大型化していた。
リアにはアグレッシブなルーフマウントスポイラーと新しいディフューザーが確認できた。量産バージョンでは4本出しエグゾーストにチタン製チップとアクティブフラップが採用され、サウンドの魅力も高めると期待される。
車内では、軽量バケットシートなど、ゴルフGTIエディション50と同様の軽量化対策が施されるだろう。
正式発表は来年と予想され、Rブランド25周年となる2027年に販売が開始される見込みである。












































