【スコットランドを480km】ポルシェ・タイカン4S 最高得点に再試乗 AUTOCARアワード2021  後編

公開 : 2021.06.17 16:25  更新 : 2021.06.18 13:21

AUTOCARの詳細テストで、純EV初の満点を獲得したタイカン。スコットランドの風光明媚な道、ノースイースト250で英国編集部が魅力を再確認しました。

アダプティブ・クルコンで混んだ道も安楽

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
photo:Max Edleston(マックス・エドレストン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ポルシェタイカン4S車内はとても静かで、エアサスペンションがしなやかな乗り心地を与えてくれる。オプションで追加できるアダプティブ・クルーズコントロールをオンにすれば、混雑した道も極めて安楽なものになる。

川に沿いながら海へ出た。スペイ・ベイの街だ。雨は止み、北海の水平線が遠くに見える。観光客で駐車場はいっぱい。アザラシも見られる。しかしここは、タイカン4Sと水面を一緒に画面へ収めることが難しいとわかった。

ポルシェ・タイカン4S(英国仕様)
ポルシェ・タイカン4S(英国仕様)

映える写真を求めて東へ進む。バッキーにフィンドックティー、ポートノッキー、カレンといった漁港を抜け、岩だらけの駐車場にたどり着いた。

予定通り、初日はデブロン川の河口に寄り添う美しい街、バンフで体を休める。この街を選んだ理由は、50kWのDC充電器が設置されているから。タイカン4Sを満充電にするべく、一晩つないでおいた。

まだ観光シーズンは本格的に始まっていない。それでも、少なくない人が物珍しそうにクルマへ近寄って来ていた。

翌朝、空はどんよりグレー。タイカンのメーターには、320kmの航続距離が示されている。2日目に走るルートは238kmだから、余裕はある。

ウイスキーの原料になるのであろう、穀物畑の間に整備されたB9031号線を東に進む。時々、顔がひきつるような加速を楽しみながら。アクセルペダルを上手に操作しながらの追い越し加速も、体が覚えてきた。うっかりすると、速くなりすぎてしまう。

タイカン4Sの上に、さらに速いタイカンが2段階も存在するとは。ただただ驚くばかり。

デフォルトでは効きの弱い回生ブレーキ

海岸を東へ進み、アバディーンシャー地方の東端、ピーターヘッドで休憩を取る。大きな漁港街で、南へ下れば観光名所、スレインズ城の廃墟がある。ノースイースト250を楽しむうえで、立ち寄りたいスポットの1つといえる。

以前は城のそばまでクルマで乗り付けられたが、今は手前で降りなくてはならない。800mほど、海風を浴びながら歩く。古城は現代の安全基準に照らされることはないのか、無防備で手つかず。100年ほど、そのままの姿のようだ。

ポルシェ・タイカン4S(英国仕様)
ポルシェ・タイカン4S(英国仕様)

城が健在だった頃は、作家のブラム・ストーカーも訪ねているという。ドラキュラが住む城のモチーフになったらしい。八角形の大きなホールが特徴だろう。朝の9時半に訪ねても、気持ちが悪い場所に思えた。沖に見える洋上風力発電所とは対象的だった。

A975号線に出て少しタイカン4Sの能力を味わい、退屈なA90号線に入る。公式のノースイースト250のルートを外れ、アバディーンの街へ南下する。花崗岩で作られた歴史的な建築と、ポルシェとの写真を撮影するため。

アバディーンは石油産業で栄える街だが、純EVを多く目にした。そのほとんどが、テスラだった。

海岸線に沿った道はここで終わり。ノースイースト250は西に進路を変え、ピーターキュルターの街を抜けて、ディー川沿いに内地のブレイマーへ向かう。

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