【オーダーメイドで特別な体験】ロールス・ロイス ボート・テイルに続く新モデル 2年に1台ペース

公開 : 2021.06.27 10:05

ロールス・ロイスが新設したコーチビルド部門は、引き続き特別な顧客に向けた事業を展開していくとのことです。

100年後のロールスにとって重要

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ロールス・ロイスのCEOであるトルステン・ミュラー・オトヴェスは、コーチビルド部門で2年に1台のペースで新モデルを発表することを目標としているが、このようなプロジェクトは、購入者の需要と社内の「欲」の両方があって初めて実現するものだ。

ロールスは最近、3人の顧客のために製作した2000万ポンド(約30億円)の超高級GT、ボート・テイルを発表した。このマシンは開発に4年を要し、2017年に公開されたワンオフのスイープ・テイルからインスピレーションを得たという。

ロールス・ロイス・ボート・テイル
ロールス・ロイス・ボート・テイル

ミュラー・オトヴェスは、スイープ・テイルに続くワンオフモデルに対する顧客の需要が、完全なビジネスユニットとしてコーチビルド部門の設立を促したと述べている。

「スイープ・テイルは特定のお客様とのワンオフで、信じられないほどの歓迎を受けました。複数のお客様からは、次のコーチビルドのプロジェクトはないかという問い合わせが多くありました。4年前にこれを実行し、部門を拡大してきました」

「今後は、2年に1度くらいのペースでプロジェクトを進めていきたいと考えています。それが3台なのか1台なのかは、お客様のアイデアとわたし達の欲求に大きく左右されます」

オトヴェスは、コーチビルドのプロジェクトのためにクライアントを選ぶことができる「非常に快適なポジション」にいると語った。「非常にレアな存在であり続けたい」として、それぞれのプロジェクトを独占的に提供するという。

「量を増やすつもりはありません。なぜなら、70~100年後のブランドにとって重要で、真にユニークな作品となるようなプロジェクトを目指しているからです。これは、1920年代と1930年代にコーチビルディング・プロジェクトを行ったロールス・ロイスの伝統に沿うものです」

メイン事業を補完するものではない

ロールス・ロイスは、ボート・テイルの価格が2000万ポンド(市販車としては最も高価)であるとは明言していないが、オトヴェスはコーチビルドの拡大について、主要なビジネスである量産モデルを補完するものではないと述べている。

「わたし達の基盤は、カリナン、ファントム、ゴーストなど成功しているモデルであり、それは今後もメインビジネスであり続けるでしょう」

トルステン・ミュラー・オトヴェスCEO
トルステン・ミュラー・オトヴェスCEO

「商業的には、コーチビルドは『成功するか失敗するか』という要素ではありません。しかし、わたし達が長年培ってきた素晴らしい技術を披露することは、ブランドのオーラやイメージのためにも重要です」

コーチビルド事業は、既存のビスポーク・パーソナライゼーション部門と並行して行われ、オトヴェスは、この2つの部門がお互いに補完し合うことになると語っている。

「コーチビルドをビスポークと連携させることで、当社のビスポーク事業に非常に良い影響を与えることができます。これは友好的な関係であり、この分野で素晴らしい新しいアイデアが生まれるでしょう。すでに、工場から出荷されるクルマの98%が完全なビスポークであり、これによってお客様は将来的にもっと多くのことができるようになるでしょう」

「ビスポークは、コーチビルドのアイデアや技術から恩恵を受けますが、その逆もまた然りです。当社のデザイナーとエンジニアは、コーチビルドとビスポークの両方を後押しする素晴らしいアイデアを持っています」

コーチビルド・プログラムは、様々なサイズのボディに対応できる柔軟性を備えた、当社のアルミニウム製スピリット・オブ・ラグジュアリー・アーキテクチャーによって実現されている。ボート・テイルは、ファントムのエンジンと主要な構造部品を使用しているが、約2000個の専用パーツを使っている。

ロールス・ロイスは現在、「サイレント・シャドウ」と呼ばれる初のEVを開発中で、今後10年以内に発売される予定だ。オトヴェスは、コーチビルドのEVを提供するか、という問いに対し、「間違いなく、必然的にそうなります。完全なEVになっても、コーチビルドをやめる必要はありません」

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