【ミウラが1.2億円】コロナ禍の高額車の動向は? アールキュリアル・モナコ・オークション

公開 : 2021.08.08 18:45  更新 : 2021.10.11 10:50

コロナ禍でリアル開催された「モナコ・オークション」の結果一覧をご報告しましょう。フランスを代表するオークショニア「アールキュリアル」が、名車120台を持ち込みました。

モナコ・オークションとは

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:ARTCURIAL MOTORCARS

アールキュリアルにとって恒例となった「モナコ・オークション」が、7月19日にモンテカルロにあるオテル・エルミタージュを舞台にリアルで開かれた。同社にとっては2月に行われたパリジェンヌ・オークション以来の開催となる。

フランスで様々なジャンルのオークションを行う同社にとって、モナコ・オークションはレトロモビルと共に頂点に位置する存在とあって、粒よりのコレクターズカーが集められた。

アールキュリアル・モナコ・オークションの注目リザルトと結果一覧をレポート。コロナ禍でのリアル開催は、吉と出るか、凶と出るか、落札率は?
アールキュリアル・モナコ・オークションの注目リザルトと結果一覧をレポート。コロナ禍でのリアル開催は、吉と出るか、凶と出るか、落札率は?    ARTCURIAL MOTORCARS

今回用意されたのは古今東西の120台のコレクターズカーと、さらにモーターサイクルが4台、そしてオートモビリアが15点。

オートモビリアにはフェラーリ126CKのフロントウイングと、フェラーリF1-91のフロントとリアウイングが出品され注目を集めた。このほかラルフ・シューマッハーやセバスチャン・ローブを始めとするドライバーのレーシングスーツが4点並んだ。

注目したい出品車両は?

今回のハイライトは、ジャック・セトンが所有していたシャシーナンバー200の1985年プジョー205ターボ16(予想落札額3108-3885万円)と、1965年アストン マーティンDB5(同5180-7770万円)。

プジョーのデザイナーだったポール・ボユヴォが所有していた1968年ランボルギーニ・ミウラP400(同1億1008-1億5540万円)の3台。

1985年プジョー205ターボ16(3550万円)
1985年プジョー205ターボ16(3550万円)    ARTCURIAL MOTORCARS

このほか発掘人コリン・クラビーがキューバで見つけた、1957年メルセデス・ベンツ 300SLロードスター(同1億4245-1億8130万円)、1973年ポルシェ911 RSR 2.8(同1億9425-2億3310万円)、1975年クレマー・ポルシェ911カレラ3.0 RSR(同1億360-1億2950万円)が話題となっていた。

これらの高額車だけではなく、財布の軽いエンスージァスト向けの車両も忘れられてはいない。

100~200万円程度のお値頃といえる1963年NSUシュポルト・プリンツ・クーペ、1998年BMW Z3 Mクーペ、1966年フィアット600ジャングラ・サヴィオ、1975年リンカーン・コンチネンタル・タウンカーなども用意された。

ミウラが最高落札額

オークションが終わってみれば、コレクターズカーの落札率は49.5%と低調だった。

フランスでコロナ禍による外出規制は5月に解除されたが、世界の誰もが自由にモナコ(フランス)へ行けないという制限はあり、思ったほど参加者が集まらなかったようだ。

1968年ランボルギーニ・ミウラP400(1億2658万円)
1968年ランボルギーニ・ミウラP400(1億2658万円)    ARTCURIAL MOTORCARS

1億円超えの高額車は低調で、新車でフランスにデリバリーされ、前述のポール・ボユヴォが40年間所有していたランボルギーニ・ミウラだけが落札された。

ミウラは人気のSやSVではなくP400ながら、新車からエンスージァストの許で暮らしてきたヒストリーと未レストアという点が評価。最終的に、1億2658万円まで値を上げ、このオークションの最高落札額となった。

このほか、新車でフランスにデリバリーされマニュアルギアボックスのアストン マーティンDB5は6560万円。ジャック・セトン所有のプジョー205ターボ16は、3550万円で決着がつく。

変わったところでは、99台のみが作られたというメルセデス・マイバッハG650ランドレットは、9770万円という驚きの額で落札されている。

しかし、全体的に見れば落札額は落ち着いてきていて、マセラティ・ボーラやデトマジ・パンテーラも1000万円ちょっとで終えている。このほか、フェラーリ512BBは世界的に下落傾向にあり、ここでも1899万円で終えてしまった。

景気の先行きが不透明なだけに、入札者も価格に対してはシビアになっているようだ。しかし今回のミウラのような本命が出た時はその限りではないことが分かろう。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ランボルギーニの人気画像