【ボディを伸ばしただけじゃない】プジョー308 SW 1.2ピュアテックへ試乗 軽快な操縦性

公開 : 2021.09.30 08:25  更新 : 2021.10.14 16:05

モデルチェンジしたプジョー308に、実用性を追加したステーションワゴンのSW。英国編集部は、魅力的な選択肢が登場したと評価します。

独自のモデル・アイデンティティ

執筆:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
自動車メーカーの中には、ステーションワゴンから手を引くところもあるようだが、プジョーは今も大切なボディスタイルだと考えているようだ。洗練されたデザインの508にも、ちゃんとステーションワゴンのSWが用意されている。

そんなプジョーだから、新生308のデビューに合わせて、SWを用意することは確実な流れだったといって良い。先日のハッチバックに続いて、早速の試乗も叶った。

プジョー308 SW 1.2ピュアテック130 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョー308 SW 1.2ピュアテック130 GTプレミアム(欧州仕様)

プジョーとしては、ハッチバックの308から展開した1バージョン、という捉え方はして欲しくないという。SWとして、独自のモデル・アイデンティティを与えようと取り組んでいる。

確かにクルマを眺めると、Cピラーから後ろのデザインはハッチバックと大きく異る。斜め後ろからの容姿は、エレガント、という言葉を用いたくなるほど。

最新の308 SWは、ハッチバックの308よりホイールベースが57mm長い。全長は269mmも伸ばされている。そのおかげで荷室の奥行は1026mmにまで深くなり、実用性を高めている。

ハッチバックと同様に、308 SWでも1.2Lのガソリンターボと1.5Lのディーゼルターボ、2種類のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)からパワートレインが選べる。

今回試乗したのは、1.2L 3気筒ガソリンターボで、英国ではエントリーグレードとなるピュアテック。最高出力130ps、最大トルク23.4kg-mを発揮し、快適な走りを提供してくれる。

軽快で楽しい操縦性は損なわれていない

1.2L 3気筒ターボエンジンは基本的には滑らかに回転し、ノイズも静か。アクセルペダルを踏み込んでも、少し賑やかに感じる程度だ。

トランスミッションは8速ATで、適切なギアを小気味よく選んでくれる。普通に走っている限り、これ以上のトルクや加速力が欲しいと思う場面は殆どないだろう。

プジョー308 SW 1.2ピュアテック130 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョー308 SW 1.2ピュアテック130 GTプレミアム(欧州仕様)

拡張されたボディを背負っていても、ハッチバックが備える軽快で楽しい操縦性が損なわれたとは感じられない点もプラス。ダイナミックな印象はやや目減りするが、そのかわり快適性は僅かに上昇している。

ステーションワゴンとして、悪くないトレードオフといえる。Cセグメントでの競争力は充分に高い。

リアシート後ろの荷室容量は、608L。PHEV版では548Lへ小さくなる。試乗車では、リアシートを畳めば1634Lにまで拡大できる。フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアントと比べても、引けを取らない容量だ。

プジョーがiコクピットと呼ぶ運転席周りのレイアウトは、相変わらず筆者にはしっくりこない。しかしGTプレミアムと呼ばれるトリムグレードが奢られ、インテリアは上質で心地良かった。全長が伸びているが、運転席からの後方視界にも優れると感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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