【2022年の人気2番手予想】アウディQ4 eトロン(1) 長期テスト ブランドへの期待

公開 : 2021.10.09 09:45  更新 : 2021.11.11 13:18

洗練され実用的で、電費効率も良い

Q4 eトロンの走りは洗練され、実用的で電費効率も良い。同時にデザインやプロポーション、インテリアの品質などは、アウディへ期待するものとまではいえないだろう。

フォルクスワーゲンID.4なら、気になることはない。だがアウディの場合、プレミアム・ブランドとして高めの価格設定には、相応の内容も求められる。

これまで、ほかと異なる上級志向な雰囲気を放ち、優れた品質と内容で多くのユーザーに訴求してきたことは事実。その結果、販売台数も効果的に増やしてきた。Q4 eトロンは、プレミアム・バブルをさらに膨らませることはできるだろうか。

もっとも、アウディに限らずメルセデス・ベンツBMWなども英国では主流ブランド化し、販売台数もかなり多い。その時点で、プレミアムという定義が難しいのかもしれないけれど。

今回の長期テストでは、短時間の試乗では感じにくい、表面的ではない高品質が生む深い魅力について探ってみたいと思う。

車内の第一印象はツヤツヤの大きなモニターへ目が奪われがちだが、少し落ち着いて眺めると、少々プラスティック感が目立つ部分も多い様子。走り出せばアウディへの期待通り、静かで洗練されたファミリー・クロスオーバーだ。

ドライバーの気持ちを掻き立てるような、ホットな雰囲気はない。落ち着きがあり、快適に移動できる。

初めての純EVでも不安感なく運転できる

航続距離も純EVでは課題の1つ。寒い季節が来た時にどう変化するのか、確かめてみたい。少なくとも今の気候なら、480kmは余裕で走れるようだ。

Q4 eトロンは、リラックスして運転できる。初めての純EVでも、不安感なく運転できるのではないかと思う。内燃エンジンからの乗り換えを、スムーズにしてくれるだろう。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

アウディの純EVとして、特別な印象は長く続くだろうか。競合モデルと比較して、高めの価格を正当化する内容は備えているだろうか。手頃なフォルクスワーゲンID.4とは、兄弟関係にある。

これからの数カ月間で、明らかにしていきたいと思う。

セカンドオピニオ

アウディは、技術による進歩を掲げてきたブランドであり、力強いデザインで多くのファンを獲得してきたブランドでもある。新しいQ4 eトロンは、そのイメージへ上手にフィットできていないように感じる。

アウディは洗練され、実用的なクルマ以上のものを作る必要があったと思う。独自性を高めるために。長期テストでどんな発見があるのか興味深い。 Matt Saunders(マット・ソーンダース)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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