【躍進する中国EV】シャオペンP5 600Pへ試乗 2022年に欧州上陸 ライダー搭載

公開 : 2021.10.13 08:25  更新 : 2023.05.01 08:41

207psで0-100km/h加速7.5秒

郊外の道を走らせてみると、カーブが連続するような区間でもロードホールディング性は良好。サスペンションはアダプティブではない一般的なもので、乗り心地は全般的にソフトな印象だ。

ステアリングのレシオは丁度良く、従来のシャオペン・モデルと比較して正確性も高められている。回生ブレーキの強さも従来より強められたようだ。完全に停止するにはブレーキペダルを踏む必要があり、ワンペダル・ドライブには対応しない。

シャオペンP5 600P(中国仕様)
シャオペンP5 600P(中国仕様)

P5には最高出力207ps、最大トルク31.6kg-mが与えられ、テスラ級の動力性能は備わらない。一般的に中国の純EVは、パワーが控えめなものが多い。

前輪駆動で、技術的には四輪駆動も可能なようだが、P5のベースとなったG3も前輪駆動のみのため、P5が四輪駆動を得ることはないだろう。カタログ上では、0-100km/h加速は7.5秒。BMW 320iと同等の瞬発力といえる。

駆動用バッテリーの容量は、55.9kWhから71.4kWhまで、いくつかが用意される。航続距離は、従来の換算方式となるNEDC値で460kmから600kmがうたわれる。バッテリーの容量に関わらず、30%から80%までの充電を最短40分でこなせるという。

世界初のライダー搭載車として、自律運転の能力に注目したいところだが、前述の通り現状ではまだ利用できない。少なくともドライバーをアシストしてくれる知的なインフォテインメント・システムと、広い車内は備わっているから、今後に期待だ。

シャオペンの熟成と自信

動的性能は、クラスをリードするほどの内容ではない。しかし運転の質感にはまとまりがあり、航続距離にも不足なく、手頃な価格が予想される。一般的なファミリー・サルーンとして考えれば、加速力も不満を感じるほどではないだろう。

2022年から欧州市場での販売拡大が計画されているが、具体的な英国への導入時期は未定。筆者は、シャオペンの熟成とモデルとしての自信を感じずにはいられなかった。欧州でどれほどのプレゼンスを示すのか、興味深いところだ。

シャオペンP5 600P(中国仕様)
シャオペンP5 600P(中国仕様)

シャオペンP5 600P(中国仕様)のスペック

中国価格:23万元(397万円)
全長:4808mm
全幅:1840mm
全高:1530mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:600km(NEDC値)
電費:7.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1725kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:71.4kWhリチウムイオン
最高出力:207ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・アンドリュース

    Mark Andrews

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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