【一般道にフィットするカレラ】ポルシェ911 英国のA911号とB992号を走る 前編

公開 : 2021.10.16 09:45  更新 : 2021.10.18 07:53

スピードを上げずとも幸福に運転できる

しばらく走り、A911号線の途中にある唯一の町、グレンロセスへ入る。ロータリー交差点の中央には、美しい花が咲いていた。道にはヒュンダイの姿が多く見られる。

交通の流れがゆっくりでも構わない。911は、スピードを上げずとも幸福に運転できる。市街地を流していても、多くのパフォーマンスカーのように気を張り詰める必要もない。

ポルシェ911 カレラ(英国仕様)
ポルシェ911 カレラ(英国仕様)

だが、ポルシェのデュアルクラッチAT、PDKの低速域での洗練性は優秀とはいいにくい。ノーマルのままのオーディオも、音質は鮮明さに欠ける。こんな環境では、極上の運転体験は得られないということも頭に浮かぶ。

さらに数km東へ進み、キャメロンブリッジという村へ入る手前で911を停めた。エドレストンが降りしきる雨の中、撮影を試みる。筆者は他の交通の邪魔をしないように、911でロータリー交差点を何度も回った。

A911号線は、正直パッとしない。急いで別のルート、プランBを練ることにする。

ロータリー交差点そばの駐車場にクルマを停め、インターネットを頼る。20世紀なら、こんなに簡単に調べることはできなかっただろう。

英国には、ロード・エンスージァスト協会という団体がある。クルマ好きの組織としては、さほど魅力的には受け止められていないと思うが、英国の運輸省より包括的な道路の情報を保有している。その道にまつわる歴史も。

それによると、かつて存在したB911号線はすでに存在しないという。期待していただけに、残念なニュースだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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