【詳細データテスト】ルノー・アルカナ 意外な広さ ハイブリッドは燃費良好 質感と快適性には妥協も

公開 : 2021.10.23 20:25

走り ★★★★★★☆☆☆☆

数週前にテストしたプラグインハイブリッドのメガーヌで、われわれはルノーのEテックシステムの好ましい点を数多く見出した。基本的にはアルカナのハイブリッドとおおむね同じシステムだが、同一というわけではない。

エンジンは共通の1.6L自然吸気だが、電気モーターは16psのマイナス。車両重量が160kgも軽いのだから埋め合わせできるだろう、と思うかもしれないが、実際に走ると、アルカナのほうが目に見えて遅い。

馬力荷重比の割に加速性能は物足りず、EV走行可能な距離は短い。しかし日常づかいする範囲内でなら、力強さも洗練性もそれほど不満を覚えることはない。
馬力荷重比の割に加速性能は物足りず、EV走行可能な距離は短い。しかし日常づかいする範囲内でなら、力強さも洗練性もそれほど不満を覚えることはない。    OLGUN KORDAL

路面の湿ったテストコースで計測した0−100km/h加速タイムは11.6秒で、公称値より0.8秒遅かった。絶望的というまでではないが、それでも馬力荷重比を考えると残念な数字だ。メガーヌと比較すれば1秒以上のビハインドで、日常使いではパフォーマンスに物足りなさを痛感することになるかもしれない。

高速道路の合流や、混み合ったジャンクションから脱出するときには、エンジンが回りはじめがちだ。さらに、加速時には低いギアをホールドする傾向がある。洗練性の観点からすれば、あまりよろしくない。

とはいえ、もっと穏やかに走っていると、パワートレインの切り替えはスムースに行われる。モーターからエンジンへ、また発電機としてのエンジン稼働と、ボンネットの下で今なにが起こっているのかほぼわからないくらいみごとだ。

実際、回転計は備え付けられず、手動変速する手段はなにひとつ用意されていない。電動アシストのパンチは、とくに市街地では満点で、開けた道でも、少なくとも普通の使い方で日々走らせるのであれば十分だ。

フルハイブリッドの多くがそうであるように、EVドライブボタンはある。しかし、1.2kWhのバッテリーではたいした航続距離は望めない。エンジンをかけるのがはばかられる時と場所を選んで使うのが得策だ。シフトセレクターにはBレンジがあり、回生ブレーキの効きを強くできるが、ワンペダルドライブができるほどではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。

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