【大人のオープン】新型メルセデスAMG SL 世界初公開 4輪駆動&4輪操舵システム採用

公開 : 2021.10.29 06:05

4.0L V8で最高出力585ps

メルセデスAMGは、V8エンジンを搭載したSLの初期モデルとして、SL 55 4マチック+とSL 63 4マチック+の2モデルを発表したが、AUTOCARはハイブリッドのSL 63eをはじめとする複数のモデルを開発中で、今後1年以内に発表されるものと予想している。

エントリーモデルの「55」の名は、2012年に生産を終了したG 55以来の採用となる。パワートレインにはAMGの4.0L V8ツインターボエンジン「M176」を搭載。最高出力は、従来のSL 500に搭載されていた4.7L V8ツインターボと比較して26ps高い475ps、最大トルクは71.2kg-mを発揮する。

新型メルセデスAMG SL 63
新型メルセデスAMG SL 63    メルセデスAMG

標準装備の9速トルクコンバーター付AMGスピードシフトMCTオートマチック・トランスミッションと完全可変式4輪駆動システムのAMGパフォーマンス4マチック+との組み合わせにより、SL 55の0-100km/h加速のタイムは3.9秒、最高速度は295km/hとされている。

SL 63は、AMGがより強力にチューニングした4.0L V8ツインターボのM177エンジンを搭載している。内部構造の変更やエアマニホールドの大型化、ブースト圧の向上などにより、最高出力585ps、最大トルク81.4kg-mを発揮する。9速ATと4輪駆動により、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は315km/hとされている。

ドライビングモードは、標準で「スリッパリー」、「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツ+」、「インディビジュアル」の5種類が用意されており、SL 63とオプションのAMGダイナミックプラスパッケージを装着したモデルには「レース」モードが追加される。

大型化・重量増もパフォーマンス向上

サイズは全体的に大型化し、全長4705mm(88mm増)、全幅1915mm(38mm増)、全高1359mm(44mm増)となっている。最も大きくなったのはホイールベースで、新しいリアシートを収めるために117mm延長され、2700mmとなった。

新しいアルミニウム製プラットフォームを採用しているにもかかわらず、4輪駆動の採用もあって重量が増加。最上位モデルであるSL 63は1970kgで、先代モデルに比べて125kgも重くなっている。

新型メルセデスAMG SL 63
新型メルセデスAMG SL 63    メルセデスAMG

AMGは、開発の中でもSLのダイナミックな特性を高める作業に注力したと述べている。新開発の5リンク・ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションと、現行GTと同様のマルチリンク式リアサスペンションを採用。SL 55には従来型のアンチロールバーが、SL 63にはハイドロリックエレメントが採用され、いずれもアダプティブ・ダンピングが標準装備されている。

SL 63には電子制御式リミテッド・スリップ・リアディファレンシャルが装備されており、SL 55ではオプションのAMGダイナミックプラス・パッケージの一部として指定することも可能だ。

現行SLとの最大の違いはステアリングシステムにある。フロントアクスルの電気機械システムを再構成するとともに、初めて後輪ステアリングを標準装備。AMG GT Rに採用されているものと同様に、10km/hまでは後輪が前輪と逆方向に、100km/h以上では同じ方向に回転することで、「俊敏性と安定性を兼ね備えた」ハンドリングを実現しているという。

両モデルとも、フロントには390mm径のベントおよびクロスドリル付きスチール製ブレーキディスクと6ピストンキャリパー、リアには360mm径のスチール製ディスクとシングルピストン・フローティングキャリパーを装備する。また、オプションでフロントに402mm、リアに360mmのカーボンセラミックディスクを装着することも可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

関連テーマ

おすすめ記事

 

メルセデスAMGの人気画像