走り追求でガラス断捨離! メルセデスAMG SL ピュアスピード(1) 歴代一番の劇場的ハードを解説

公開 : 2025.07.01 19:05

AMG史上最も劇場的な、SL ピュアスピード登場 窓ガラスと後席省略 底面にカーボン製アクティブエアロ 言葉を失うレスポンス ヘルメット必須でも類まれな充足感と興奮 UK編集部が試乗

AMG史上最も劇場的 瞬間瞬間が記憶へ刻印

クルマとのドラマチックな時間を追求するなら、イタリアの公道レース、ミッレ・ミリアへ挑むのは理想的。例年6月になると、北部の旧道は数多くの伝説的なクラシックカーで賑わう。駆け抜けるオープンエア・ミュージアムといってもいい。

そして筆者も、その中の1人になった。ステアリングホイールを握ったのは、自動車博物館やエアコン付きのガレージで維持される、ビンテージモデルではない。メルセデスAMG史上最も劇場的な、SL ピュアスピードだ。

メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)
メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)

このスピードスターの運転は、まさにステージイベント。乗り込む前に、ドライバーは服装を整える必要がある。出発すれば、瞬間瞬間が記憶へ刻まれるはず。

類まれに開放的で究極的。メルセデスAMGが提供してきた公道用モデルの中で、最もエキサイティングでラグジュアリーな体験を享受できるといっていい。0-100km/h加速は3.6秒。最高速度は315km/hがうたわれる。

フロントガラス省略 キャビン中央にハロ

スタイリングも、簡単に忘れられるものではない。ベースはメルセデスAMG SLだが、サイドガラスだけでなく、フロントガラスも備わらない。ダッシュボードの奥へ、高速走行時の気流を整える、小さなスクリーンが備わる程度だ。

中空構造のスチール製ロールバー、「ハロ」がキャビン中央を貫く。F1マシンからインスピレーションを受けたもので、構造体も兼ねており、お飾りではない。ドライバーの周辺視野へ常に映るが、シャシー剛性にも影響し、特有の操舵感を生み出すという。

メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)
メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)

ソフトトップも省略され、シートの後方では、三角形のロールバーからカウルが伸びる。これでナンバー付きなのかと疑いたくなる出で立ちだが、通常のSLより低重心化されていることは間違いない。

ボディ底面にカーボン製アクティブエアロ

大きなスリーポインテッド・スターで飾られる、シャークノーズ風のフロントマスクが鮮烈。リアディフューザーやサイドスカートなども専用デザインで、フロントガラスのないアグレッシブなフォルムと呼応する。

21インチのアルミホイールは、SL ピュアスピード独自のアイテム。フロントは、ブレーキの熱を逃がすため抜きが大きく、リアは空力特性へ配慮され塞がれた部分が広い。

メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)
メルセデスAMG SL ピュアスピード(欧州仕様)

タイヤは、前が275/35、後ろが305/30というサイズのミシュラン・パイロットスポーツ。こちらも、専用開発品となる。

ボディ底面には、カーボンファイバー製アクティブエアロ。ドライブモード次第で最低地上高を40mm低くし、ベンチュリー効果でダウンフォースを得るという。フロントノーズ・リフト機能と、AMG GT 63プロ譲りのアンダーボディキットも備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

メルセデスAMG SL ピュアスピードの前後関係

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