816ps&1420Nmの超絶スペック!メルセデスAMGの名を冠した『SL63 S Eパフォーマンス』にアフォルターバッハの誇りを見た

公開 : 2026.01.05 11:45

7世代目となる現行SLクラス(R232型)はメルセデス・ベンツではなくメルセデスAMGの名を冠していますが、それは単なる販売の戦略ではないと筆者は断言します。スーパーカー超王こと山崎元裕のレポートです。

販売上の戦略ではない

2021年10月に発表された、1954年誕生の初代モデルから数えて第7世代に相当する現行型の『SLクラス』(R232型)。

そのデビュー時にまず大きな話題となったのは、これまでの『メルセデス・ベンツ』ではなく、カスタマーに究極のパフォーマンスを提供することを目的とするサブブランド、『メルセデスAMG』から市場へと投入されることになったことだ。

取材車となった『メルセデスAMG SL63 S Eパフォーマンス』。
取材車となった『メルセデスAMG SL63 S Eパフォーマンス』。    平井大介

もちろんそれは販売上の戦略などではない。実際に新型SLの開発は、メルセデスAMG自身の手によって独自に行われているのだ。ちなみに同社は、このモデル以前にも『SLS AMG』、『GT 2ドアクーペ』、『GT 4ドアクーペ』、を自社開発によって生み出し、新型SL開発の時間軸は、2024年4月に登場したセカンドジェネレーションのGT 2ドアクーペとも重なる。

もちろんほかにもメルセデス・ベンツには多くのAMGモデルが存在するのだから、メルセデスAMGの開発チームがいかに多忙を極めているのかは想像に難くない。

パワーユニット全体で816ps&1420Nm

今回ドライブした『SL63 S Eパフォーマンス』は、新型SLのシリーズモデルでは、最もスポーティな仕様となるものだ。

そのパワーユニットはドイツ・アフォルターバッハのメルセデスAMG社で『ワンマン・ワンエンジン』、すなわちひとりの熟練したクラフトマンが、最初から最後まで一基のエンジンの組み立てを担当する方式で製作される、3982ccのV型8気筒ツインターボ(177型)。

3982ccのV8ツインターボ単体では585ps&800Nmというスペック。
3982ccのV8ツインターボ単体では585ps&800Nmというスペック。    平井大介

585psの最高出力と800Nmの最大トルクを誇るこのエンジンをフロントにマウントし、リアには150kW&320Nmを発揮するエレクトリックモーターと、これもメルセデスAMGの自社開発による、4.55kWhの容量を持つハイパフォーマンスリチウムイオンバッテリーを搭載。

PHEVのシステムを採用したことで、満充電から最大で約15kmをEV走行することも可能になった。パワーユニット全体での最高出力は816ps、最大トルクは1420Nmという驚異的な数字に達する。

再びソフトトップを採用

ミッションは湿式多板クラッチを使用した9速のAMGスピードシフトMCT。駆動方式はRWDが一応の基本になるが、実際には電子制御の連続トルク可変配分式4WDシステム『AMG 4MATIC+』によって、常時最適な駆動トルクが前後輪に連続的に配分されている。

フルモデルチェンジによって、再びソフトトップを採用することになった新型SLのエクステリアは、ボンネット上のパワードームや、GTシリーズとも共通性を感じるグリルのデザインなどで、前作以上にスポーティな印象を抱くものになった。

ドライブモードをスイッチするための『AMGダイナミックセレクト』が装備されている。
ドライブモードをスイッチするための『AMGダイナミックセレクト』が装備されている。    平井大介

もちろんそれは優れた機能性を実現したもので、スチールとアルミニウム素材を構造材として効果的に使用することで21kgという軽量性を実現したソフトトップは車両の低重心化にも大きく貢献。

オプションでカーボンパッケージが選択されていた試乗車では、サイズは21インチと変わらないものの、より軽量なAMG鍛造アルミニウムホイールが装備されていたため、まずはその素晴らしい乗り心地に驚かされることになった。

最大で1420Nmというトルクは、さすがにオンロードでそれを使い切ることは不可能だ。このSL63 S Eパフォーマンスにはドライブモードをスイッチするための『AMGダイナミックセレクト』が装備されており、実際には『エレクトリック』、『バッテリーホールド』、『コンフォート』、『スリッピー』、『スポーツ』、『スポーツ+』、『レース』、『インディビジュアル』の各モードの選択が可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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