フォルクスワーゲン・タイゴへ試乗 TクロスとTロックの間 新型クーペSUV

公開 : 2021.12.30 19:05

ステアリング・フィールも乗り心地も良好

運転した印象も良い。ステアリング・フィールは滑らかで、乗り心地も落ち着いている。試乗車のホイールサイズが18インチと大きく、市街地の継ぎ接ぎが多い路面などでは、振動を抑えきれないようではあったが。

車高の持ち上げられたクロスオーバーといっても、全高は1515mm。普通に走らせている限り、背の高いクルマだと感じる場面はほぼなく、コーナーでのボディロールもしっかり抑制できている。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)

比べれば、ハッチバックのポロの方が回頭性はより機敏。それでも、タイゴも充分健闘している。

コーナリング中にアクセルペダルを踏むような条件では、トルクステアに伴う振動がステアリングホイールへ若干伝わる。重み付けや反応は滑らかで一貫しており、違和感はない。ドライブモードで重み付けは変えられるが、目立った違いはないように思った。

多くのフォルクスワーゲンが備える性格と同じく、タイゴは平穏な気持ちで長時間を楽に運転できる。それでいて、運転がつまらないというわけでもない。

好印象で競争力あるニッチモデル

新型クロスオーバー・クーペ、タイゴの英国価格は2万2450ポンド(約341万円)から。1.5 TSI Rラインの場合は、2万9140ポンド(約442万円)へ膨らむ。

ポロと比べると割高に思えるが、インテリアの質感は良いし、エンジンもパワフルな設定が与えられている。フォード・プーマや日産ジュークなどのライバルモデルと比較すれば、競争力のある価格設定だといえる。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)

TクロスTロックとの間という、かなり狭い領域に投入されたフォルクスワーゲン・タイゴ。近年の人気を裏付けるように、このクロスオーバーの機能性も悪くない。筆者は好意的に受け止めたい。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万9140ポンド(約442万円)
全長:4271mm
全幅:1757mm
全高:1515mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:8.8秒
燃費:17.0km/L
CO2排出量:134g/km
車両重量:1407kg
パワートレイン:直列4気筒1498ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:160ps/5500rpm
最大トルク:27.1kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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