フォルクスワーゲン・タイゴへ試乗 TクロスとTロックの間 新型クーペSUV

公開 : 2021.12.30 19:05

VWのTクロスとTロックの間に収まるサイズのクロスオーバー・クーペが登場。英国編集部が評価しました。

前輪駆動のクロスオーバー・クーペ

筆者は気付くことができなかったのだが、フォルクスワーゲンTクロスTロックの間に、もう1モデルが滑り込めるギャップを発見したらしい。新しいタイゴはTクロスより161mm長く、Tロックより37mm短い、クロスオーバー・クーペだ。

ベースとしているのは、ポロやTクロスなど、フォルクスワーゲン・グループのコンパクトモデルが採用するMQBプラットフォーム。パワーユニットの選択肢や、前輪駆動というレイアウトも共通している。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)

新しいクロスオーバーを、ニッチを埋めるためのモデルだと一蹴するのは簡単ではある。しかし、近年ではフォルクスワーゲンの販売台数の3分の1以上が、7車種のSUVやクロスオーバーが稼いでいる。小さなニーズも逃せない、重要なカテゴリーなのだ。

欧州仕様のタイゴで選べるエンジンは、1.0L 3気筒か1.5L 4気筒のターボガソリン。1.0Lエンジンの場合、最高出力は95psか110psに設定され、MTが標準。フォルクスワーゲンがDSGと呼ぶ、7速デュアルクラッチATもオプションで選べる。

今回筆者が試乗したのは、150psを発揮する1.5LのTSI Rライン。こちらのタイゴにはデュアルクラッチATが標準装備となり、MTの用意はないという。

印象の良い広々としたインテリア

全長4271mm、全幅1757mmという小柄なサイズのタイゴだが、車内空間は意外と広々している。クーペ・ライクにルーフラインがテールに向けて傾斜しているものの、後部座席側の空間も充分確保してある。

身長が高めの筆者が快適に感じるドライビングポジションを取った後ろにも、充分な足もと空間が残っていたし、頭上に25mmくらいの空間は残っていた。大人4名でも問題なく乗れるクルマだといえる。

フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイゴ 1.5 TSI Rライン(欧州仕様)

荷室容量は438Lで、ワゴン・ライクのTクロスよりは小さい。ボディが少し持ち上げられているから、乗り降りはしやすい。

インテリアの雰囲気も好印象。製造品質が高く、パネル同士のフィット感も良い。テクスチャーの仕上げ感も統一が取れている。ただし、ゴルフより傷の付きやすそうなプラスティック製部品が、目に届く範囲にも比較的多く使われているようだ。

着座姿勢や操作系のレイアウトなど、人間工学的な側面も良好。フォルクスワーゲンらしい。

新モデルだから、ダッシュボード中央のタッチモニターは大きく、メーターパネルもモニター式。エアコンの操作系には独立したインターフェイスが用意され、車線維持支援システムなどのスイッチはステアリングホイール上のボタンで操作が可能だ。

最近では珍しい、ハンドブレーキ・レバーも付いていた。めっきり手で引くことが少なくなった。

記事に関わった人々

  • マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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