サーブ900 ターボ 英国版中古車ガイド ターボを普及した北欧の名車

公開 : 2022.01.11 08:25

今も根強いファンのいるサーブ900。現代へ続くターボ時代を切り開いた北欧の傑作を、英国編集部がご紹介します。

ターボをファミリーカーへ普及

近年ではターボエンジンは一般的なものになったが、かつては珍しい最新技術だった。フルラインターボを掲げ、差別化を狙った自動車メーカーもあったほど。

自動車のエンジンにターボチャージャーが搭載されたのは、1962年のオールズモビル・ジェットファイアーやシボレー・コルベア・モンツァから。1970年代へ時間が進んでも、ターボエンジンを搭載するモデルはほんの一握りだった。

サーブ900 ターボ(1978〜1994年/英国仕様)
サーブ900 ターボ(1978〜1994年/英国仕様)

そこへBMWが2002へ、ポルシェが911へターボを採用。伝説的なステータスを獲得するに至り、ターボ技術は急速に進化を始めた。

1977年、今はなきスウェーデンのサーブは、中型モデルの99へターボエンジンを搭載する。不要な排気ガスを逃がすウェイストゲート技術を与えることで、日常的な運転にも適していることを証明した。

さらに翌1978年、サーブは大幅に改良を加えた後継モデルの900を発表。ターボをファミリーカーへ普及させる、立役者となった。

サーブ900のモデルライフは長く、個性的なシルエットのハッチバックとサルーン、コンバーチブルが展開されている。樹脂製バンパーが目立っていたが、飛行機のキャノピーのような滑らかなフォルムが魅力といえた。

ファンの間では1978年から1994年に販売された初代の900を、クラシックと呼んでいる。合計4グレードが存在したが、今回はそのターボモデルに焦点を当ててみたい。

細かな改良が繰り返された900

発売当初、900 ターボの2.0L直列4気筒エンジンは147psを発揮。自然吸気の900より50%近く多い馬力を誇った。1985年には改良された16バルブエンジンを獲得し、177psを達成。活発な走りを求めるなら、こちらの900がオススメといえる。

当時の評論家も、後期モデルの勇ましいパフォーマンスを高く評価。ターボラグを減らした反応の良いドライビング体験が特長だった。

サーブ900 ターボ(1978〜1994年/英国仕様)
サーブ900 ターボ(1978〜1994年/英国仕様)

インテリアの品質や走りの洗練性、クルマとしての実用性にも優れていた。荷室容量は602Lもあり、内装パネルなどの作りもソリッド。リアシートには、3名が座れるシートも用意されている。

飛行機に発想を得たというシートは、人間工学に優れ座り心地も良好。長時間のドライブでも、疲れ知らずといえるものだった。

1994年に2代目900へバトンタッチするまでに、初代900には細かな改良が繰り返されている。1981年には3速ATが選べるようになり、1982年以降はノッキングセンサーを搭載し、エンジンを守りながら様々なグレードのガソリンへ対応させている。

同じ1982年には集中ドアロックも追加。1983年には、量産車初となる環境に優しいアスベストフリーのブレーキも採用された。

1987年には後期モデルとしてフェイスリフトを受けている。ヘッドライトやフロントグリル、バンパーなどのデザインが新しくなり、クルーズコントロールも装備。燃費も向上している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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