超ディープな自動車博物館 シュタイア・プフ 深い歴史を学べる展示車両 19選

公開 : 2025.09.13 11:45

知る人ぞ知るオーストリアのシュタイア・プフ。高性能な四輪駆動システムの開発や受託製造で実績のある会社ですが、その歴史が語られることはあまりありません。今回はプフの魅力が詰まった博物館を紹介します。

マニア垂涎 魅力たっぷりのプフ

長きにわたり、オーストリアの自動車産業は、シュタイア・プフ(Steyr-Puch)という1社の自動車メーカーに支えられてきた。

現在マグナ・シュタイア(Magna-Steyr)と呼ばれる同社は、合併、買収、分社化といった出来事が複雑に絡み合った歴史を持つ。そのルーツは、1864年にオーストリアのシュタイアで設立されたライフル工場と製材所に遡る。やがて1894年に自転車製造を開始し、1918年に初の自動車を製造した。

オーストリアにあるヨハン・プフ博物館の展示車両をいくつかご紹介したい。
オーストリアにあるヨハン・プフ博物館の展示車両をいくつかご紹介したい。

1926年にシュタイア・ヴェルケ(Steyr-Werke)へ改称し、1934年にはアウストロ・ダイムラー・プフヴェルケ(Austro-Daimler-Puchwerke)と合併してシュタイア・ダイムラー・プフ(Steyr-Daimler-Puch)となった。

シュタイア・ダイムラー・プフは一大産業帝国へと成長し、武器、自転車、原付、トラック、トラクター、バス、自動車部品、そしてもちろん自動車など、目もくらむほど多様な製品を設計・製造するようになった。1980年代後半から1990年代初頭にかけて、同社はこれらの事業の大半を売却。2001年にはカナダのマグナと合併し、他社の自動車を受注生産する受託製造の世界的リーダーとなった。

その歴史はあまり多く語られない。今日、マグナ・シュタイア・プフでよく知られているのは、数十年にわたりメルセデス・ベンツGクラスを生産してきたということだ。知名度の高い重要なクルマだが、これは氷山の一角に過ぎない。残りの部分は公式博物館(現在の名称はヨハン・プフ博物館)に収蔵されているのだが、どれも非常に興味深い車両ばかりだ。その一部を抜粋して紹介しよう。

ヨハン・プフ博物館(Johann Puch Museum)とは?

博物館は奇妙な静寂に包まれている。多くのクルマは埃をかぶり、タイヤがパンクしていたり、エアサスペンションのエアが抜けていたりする。乾いたガスケットから漏れたオイルは砂利にゆっくりと吸収され、ありきたりなガーデンロープが訪問者をクルマから遠ざけている。ヨハン・プフ博物館を歩くと、まるでクルマの宝物が詰まった廃倉庫に侵入しているような気分になる。

展示車両にはいくつかの共通テーマがある。数十年にわたり、シュタイア・プフはフィアットやメルセデス・ベンツと定期的に協力してきた。また、多くの自動車メーカーの四輪駆動システム開発を支援した実績もある。そのプロジェクトのほとんどが、この博物館に展示されている。

館内には独特の雰囲気が漂う。
館内には独特の雰囲気が漂う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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