ルーフSCRへ試乗 NA 4.0Lフラットで510ps 1250kgのカーボンボディ 後編

公開 : 2022.01.14 08:26

ベストノイズを生む4.0Lフラット6

低回転域のサウンドは低音が中心で、ゴロゴロとビート感が強い。4000rpm以下では、普段使いしやすいマナーを備えるが、ハンドビルドされた高性能ユニットらしい緻密さもヒシヒシと伝わってくる。気持ちを刺激するように。

レブカウンターが4000rpm辺りを指すと、カーボンファイバー製のエアボックスが共鳴し、吸気ノイズが響いてくる。徐々にフィーリングは硬質なものに変化し、エンジンの本領が見え始める。

ルーフSCR(欧州仕様)
ルーフSCR(欧州仕様)

7000rpmを超えるとアグレッシブなカムの効果が発揮され、レッドライン目掛けたクライマックスが待っている。圧倒的なパワーとともに。見事な音響体験で、筆者がこれまでに体験したエンジンのなかで、ベストサウンドの1つに加えていいだろう。

50台の限定で発売された、CTRアニバーサリーを申し込んだ人の数名が、限定生産ではない自然吸気のSCRへ注文を変更したという。このエンジンを味わえば、筆者も強く賛同できる。

もし許されるなら、このルーフSCRをサーキットに持ち込み、操縦性のすべてを確かめてみたいところ。ルーフ社は、クルマを深く理解している企業だ。自然で濃密な一体感と、自信を沸き立たせてくれる落ち着きとを、見事にバランスさせている。

極めて高剛性で磨き込まれたシャシーに、リニアで躍動感に溢れる自然吸気の4.0Lフラット6が載っている。公道では確かめることができない、高次元な能力を秘めていることはいうまでもない。

ルーフSCR(欧州仕様)のスペック

英国価格:77万ポンド(約1億1935万円)
全長:4207mm
全幅:1819mm
全高:1265mm
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:7.4km/L
CO2排出量:324g/km
車両重量:1250kg
パワートレイン:水平対向6気筒4000cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/8270rpm
最大トルク:47.8kg-m/5760rpm
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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