キャンピングカー用「240回払」オートローンが誕生したワケ ターゲットや金利は?

公開 : 2022.02.28 05:45  更新 : 2022.09.17 09:33

キャンピングカー向けの240回払オートローンが誕生。ターゲットや、20年の長期払いが実現した背景を解説します。

キャンピングカー向け240回払

2022年2月よりキャンピングカー向けの「JRVA特別オートローン」が開始された。

これはJRVA(日本RV協会)の会員店で提供される「オートローン」で、最長240回払いを可能とするもの。

2022年2月よりキャンピングカー向けの「JRVA特別オートローン」が開始された
2022年2月よりキャンピングカー向けの「JRVA特別オートローン」が開始された

240回といえば、20年もの長期クレジット。

通常、クルマのクレジット(オートローン)といえば、最大84回払いあたりが一般的な線。

それが3倍近くも長い「オートローン」を導入したというから驚きだ。

一体、どういうことなのかと、サービスを導入した一般社団法人 日本RV協会の担当者に話をきいた。

ターゲットは「若い世代」

そもそも、なぜ240回もの長期のクレジットを用意したのだろうか?

「240回のオートローン導入の目的は、新しい層のお客さまを求めてのことです。幅広い人にキャンピングカーに乗っていただきたいと考えています」と日本RV協会の担当者は説明する。

長期のクレジットは若い世代ほど使いやすいサービスと筆者
長期のクレジットは若い世代ほど使いやすいサービスと筆者

ちなみに日本RV協会が2021年に発行した「キャンピングカー白書2021」を見ると、キャンピングカーの利用者は60代(38.5%)と50代(34.6%)が多く、この2世代だけで73.1%を占める。続いて多いのは40代(14.9%)、そして70代以上(9.9%)。

一方、30代は1.9%、20代以下になると0.2%しかいない。

キャンピングカーのユーザーは、若い世代が圧倒的に少数派なのだ。

つまり、「新しい層のお客さま」とは、若い世代に他ならない。そして、長期のクレジットは若い世代ほど使いやすいサービスだ。

「クルマの価格が上昇したのも理由の1つです。実感としては、30年前と比べると、今のクルマの価格は2倍くらいになったように感じます」と日本RV協会の担当者はいう。

実際のキャンピングカーの売れ筋価格帯は「キャンピングカー白書2021」を見ると、400~500万円台(27.4%)が最も多く、600~700万円台(23.7%)が続く。

そして800~900万円台(16.6%)、200~300万円台(16.4%)、1000~1500万円台(11.6%)、100万円以下(2.4%)、1600万円以上(1.9%)だ。

ざっくりいえば、300万円台以下が約20%、400~700万円台が約50%、800万円以上が約30%という構成となる。

つまり、8割が400万円以上ということだ。

信販会社が240回を認めたワケ

とはいえ、最大240回もの「オートローン」を実施するには信販会社の協力が不可欠だ。

「実のところ、わたし達のお客さまの組むクレジットでは、ほとんど事故がありません。交通事故ではなく、『払えなくなる』という事故です」と日本RV協会の担当者。つまり、日本RV協会の会員の販売店でのクレジット利用者は、信販会社にとって、非常に良い客というわけだ。

クルマの長寿命化と、キャンピングカーの新車/中古車の高い人気を背景に240回の長期払いが実現した
クルマの長寿命化と、キャンピングカーの新車/中古車の高い人気を背景に240回の長期払いが実現した

「キャンピングカーの価値が高いと信販会社さんにも認められていると思います。長年乗っても、価値が落ちないということですね。クルマの性能が上がっていて、10年どころか20年くらい持つようにもなっています」

「そのため、新車で1000万円するキャンピングカーが10年落ちでも、500万円で売られることもあります。中古車市場も高いんですね」

実際に、今、キャンピングカーの販売は右肩上がりだ。

2021年の国内キャンピングカーの新車/中古車の販売売上合計額は、前年比109%の635.4億円に上る。

これは過去最高の更新であり、2011年比でいえば、約3倍にもなる。

そもそものクルマの長寿命化と、キャンピングカーの新車/中古車の高い人気を背景に、しかも顧客は優良。

こうした好条件が重なったことで、これまでにない240回、20年もの長期払いが実現したのだろう。

ちなみに金利は「店ごとに異なりますが、おおむね1.9-3.9%ほどになります」とのこと。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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