今1番美味しい純EV ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモへ試乗 航続445km

公開 : 2022.02.28 08:25

ドイツのスポーツカー・ブランドが作り上げた、実用的なワゴンボディの純EV。英国編集部が一般道で評価しました。

ステーションワゴンのタイカン

ポルシェの純EV、タイカンへ新しくスポーツツーリスモが加わった。恐らく、タイカン・シリーズで最も美味しい、スイートスポットが目指されているのではないだろうか。

2021年末にサーキットで一度味見させてもらったが、今回は真冬の一般道での試乗。完全な確信を得たわけではないものの、GTS スポーツツーリスモはAUTOCARお気に入りの純EVのなかで、かなり魅力的な仕様といって良さそうだ。

ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)
ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)

スポーツツーリスモは、サルーンのタイカンのボディ後半を拡張させた、ステーションワゴン。大きく開くテールゲートと、大容量の荷室を備え、クロスオーバーのタイカン・クロスツーリスモ並みの実用性を獲得している。

だが、地上高はサルーンと同じ。クロスツーリスモのような、オフロード・テイストなプラスティック製のフェンダーカバーやアンダーガードなども与えられていない。

以前の発表会で試乗したクロスツーリスモも、GTSだった。通常のタイカンと超高速なターボとの、中間に位置するグレードとなる。サスペンションのチューニングも、それぞれで異なる。

GTS クロスツーリスモには、エアサスペンションが標準装備。後輪操舵システムは、英国では1650ポンド(約26万円)のオプションとなり、今回の試乗には装備されていた。

最高出力は598ps 航続距離は最長445km

駆動用モーターは、GTSには2基搭載され、システム総合での最高出力は598ps、最大トルクは86.3kg-mを発揮する。もちろん不足なく速い。0-100km/h加速時間は3.7秒。最高速度は249km/hに到達する。

英国や日本の高速道路では、必要充分な動力性能といえる。高速域では、リアの駆動用モーターに組まれる2速ATがシフトアップし、大きなボディを推し進める。

ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)
ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)

またGTS クロスツーリスモの場合は、ポルシェのパフォーマンスバッテリー・プラスが標準装備。83.7kWhの実容量があり、最長445kmの航続距離を実現している。ただし、気温が低い英国の2月では、350km程度へ短くなるようだった。

急速充電能力にも優れている。今の英国に存在する、殆どの充電器より大容量の電気を受け入れることができる。

ドアを開いてインテリアを眺めると、リアシートより後ろを除いて、基本的にはサルーンのタイカンと同じ景色が広がる。アルカンターラとは異なる、レーステックスというスウェード調の新しいマイクロファイバーで贅沢に仕立てられている。

ダッシュボード上面やステアリングホイール、天井の内張りにも、レーステックスが張られている。滑りにくい素材だから、大きなタッチモニターを操作する際は、片方の腕でダッシュボードを掴むと身体も支えられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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