クルマ界のアベンジャーズ フォルクスワーゲン・ゴルフR エステートへ試乗 多能なマルチプレイヤー 後編

公開 : 2022.03.28 08:26

現実世界では最も訴求力に優れた1台だが

最新版で一番大きく変化したと感じる部分が、車両価格。2019年に7代目ゴルフのR ヴァリアントが発売された時より、英国では約6000ポンド(約93万円)も高くなっている。排気ガス規制への対応に伴う結果だろう。

先代では、ゴルフR ヴァリアントは、BMW 318i ツーリングと同等の価格で購入することができた。しかし今回は同じ3シリーズでも、330i Mスポーツ・ツーリングに迫る金額が付けられている。

フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート(ヴァリアント/英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート(ヴァリアント/英国仕様)

320psの四輪駆動とはいえ、新型のパフォーマンスが目立って向上したわけではない。そう考えると、小さくない価格上昇だといえる。

家族持ちのドライバーにとって、現実世界では最も訴求力に優れたモデルの1台が、フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントだと思う。それは間違いない。一方で英国価格を考慮すると、先代ほど強くはオススメしにくい、ともいわざるを得ないのだった。

フォルクスワーゲン・ゴルフR エステート(ヴァリアント/英国仕様)のスペック

英国価格:4万3175ポンド(約669万円)/4万8895ポンド(約757万円/試乗車)
全長:4633mm(標準エステート)
全幅:1789mm(標準エステート)
全高:1498mm(標準エステート)
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:12.4-12.7km/L
CO2排出量:178g/km
車両重量:1555kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:320ps/5500rpm
最大トルク:42.7kg-m/2100-5350rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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