ディーゼルも有能な選択肢 メルセデス・ベンツCクラス 220d エステートへ試乗 前編

公開 : 2022.04.13 08:25  更新 : 2022.04.19 22:17

燃費に優れ航続距離の長いディーゼルターボ

今回、英国での試乗となった新しいCクラスは、ステーションワゴンの220d。純EV化が進む世の中にあって、コンベンショナルなディーゼルターボ・エンジンを載せている。

2.0L 4気筒で、メルセデス・ベンツがEQブーストと呼ぶマイルド・ハイブリッドが組み合わされている。電圧48Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)とバッテリーによって、余分な運動エネルギーを電気に変換し、燃費効率を高めてくれる。

メルセデス・ベンツCクラス C 220d スポーツ・エステート(ステーションワゴン/英国仕様)
メルセデス・ベンツCクラス C 220d スポーツ・エステート(ステーションワゴン/英国仕様)

以前とは異なり、最新のディーゼルはそこまで排気ガスが汚くない。カタログ値を見ると、排気ガスに含まれるCO2は124g/km。NOxは0.007g/kmで、微粒子は0.0002g/kmとのこと。

難しくてピンとこないが、リアル・ドライビング・エミッション(RDE)2と呼ばれる環境基準をクリアしている。英国では税制面でも有利だ。

もちろん、クルマが排出する量だけを見れば、純EVより環境負荷は高い。だが、一度のエネルギー補給で1400kmも走れるのは、ディーゼルエンジンならでは。現在の純EVでは、その半分の距離も難しい。

メルセデス・ベンツが主張する燃費は、21.3km/L。今回の試乗では、約900kmを平均速度56km/hで走行したが、20.5km/Lの平均燃費を得られた。カタログ値とそれほど大きな開きがないことに感心する。

早朝、高速道路を中心に約100kmを平均速度84km/hで走った区間だけを見ると、燃費は23.4km/Lに届いていた。燃費を強く意識したような運転をしなくても。原油価格高騰の時代には特に、うれしい数字といえる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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