自動車史上最悪の失敗 エドセル たった3年で消えた幻のブランド 後編

公開 : 2022.04.23 20:06  更新 : 2022.04.24 08:30

エドセルの現在

エドセルは、その苦難の歴史にもかかわらず、いや、むしろそれゆえに、今日に至るまで愛着と関心を集め続けている。ブランド廃止から数十年後に生まれた「クルマに乗らない」人々でさえ、その物語の一部を聞いたことがあるのだ。オーナーズクラブは盛んで、Edsel.comという非公式サイトもできた。驚くほど多くのクルマが現存し、オーナーたちが集まって楽しむ素晴らしいコミュニティもある。

現存するエドセルは何台ある?

Edsel.comの登録データでは、1958年型1144台、1959年型1191台、1960年型563台、合計3000台近くが現存するとされているが、実際の数はもっと多いかもしれない。当然ながら、現存する個体のほとんどは米国とカナダにある。走行可能なものは5000ドル(約65万円)から、状態の良いコンバーチブルは10万ドル(約1280万円)以上で取引されることがある。

エドセル・レンジャー・コンバーチブル
エドセル・レンジャー・コンバーチブル

オークション記録は、予想通り最も希少な車種の1つである1960年式レンジャー・コンバーチブルである。現存するのは10台のみとされ、そのうちの1台が2007年に18万4000ドル(約2350万円)で落札されたが、その後、価格は概してやや落ち着いている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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