50年後に価値上昇のモデルは? 前編 1番ソフルフル:アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ

公開 : 2022.05.07 09:45

公道で許される速度で明らかになる本性

ジュリア・クアドリフォリオは美しい。アスリート的な雰囲気を醸し出しているが、必要以上にアグレッシブではない。とてもユニークだ。造形的な美しさというだけでも、将来のクラシックカーとしての価値は保証されている。

さらに、見るよりも運転した方が素晴らしい。英国はイタリアに似ていると思う。一般道の、悲しい状態という点で。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)

そのため、イタリアで開発されたモデルは、英国の一般道とも相性がいい。実際、ジュリア・クアドリフォリオも、平滑ではないアスファルトを不気味なほどしなやかにいなしてくれる。

それ以上に印象的なのが、超を付けたくなるほどクイックで正確なステアリング。コーナーへ飛び込めば、僅かにボディをスライドさせながら食らいつく。ドライバーに不安は与えず、とても機敏。シャシーの能力を掴みやすい。

アルピーヌA110も同等の身軽さがある。多くの高性能モデルは、高性能過ぎることに悩んでいる。備わるポテンシャルを発揮させるには、公道で許される速度以上での運転が求められる。しかしジュリアは、もっと手前側で本性を明らかにしてくれる。

Dセグメントの上級サルーンという評価軸で比べても、ライバルより勝る部分は多い。サルーンとしての機能性へ、50年後に関心が向けられるとは思いにくいが。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオは、ドライビング体験が素晴らしく、今後登場する可能性が低く、生産台数が少ない。日常的な利用にも困らない。誕生自体を祝いたいモデルでもある。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ(英国仕様)のスペック

価格:7万299ポンド(約1137万円)
全長:4635mm
全幅:1865mm
全高:1435mm
最高速度:307km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.0km/L
CO2排出量:227g/km
乾燥重量:1580kg
パワートレイン:V型6気筒2891ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6500rpm
最大トルク:61.1kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

この続きは中編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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