往年の強みが見事に復活 プジョー308 ハイブリッド225へ試乗 走りを楽しくするPHEV

公開 : 2022.07.25 08:25

新しいプジョー308のなかで最もパワフルなのが、PHEVの225。往年のブランドらしい走りを、英国編集部は評価します。

ハッチバックを一層楽しくするPHEV

最近はプジョーが活気付いている。普段はクルマに殆ど興味を示さない筆者の妻でさえ、今回の試乗で乗って帰った308に対して質問をしてきた。

欧州市場での好調な売れ行きも、ブランドの勢いを示している。トップを独走するのはフォルクスワーゲンだが、プジョーは2番手争いに加わっている。その立役者の1台が、新しい308だろう。

プジョー308 1.6ハイブリッド225 GTプレミアム(英国仕様)
プジョー308 1.6ハイブリッド225 GTプレミアム(英国仕様)

なかでも、ハイブリッド225というプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版は、308のなかで1番パワフル。往年のGTiを彷彿とさせるとまではいわないが、オシャレなハッチバックを一層楽しいものにしている。

システムとしては、1.6Lの自然吸気ガソリンエンジンに、110psの駆動用モーターが組み合わされたもの。総合で224psを発揮し、0-100km/h加速は6.5秒でこなす。トランスミッションは8速オートマティックで、前輪を駆動する。

最大のライバルになるのが、フォルクスワーゲン・ゴルフのGTE。向こうの最高出力は246psもあり、大差ではないものの勝っている。CO2の排出量は308が26g/km。ゴルフ GTEは27g/kmで、僅かながらプジョーが良好だ。

駆動用バッテリーだけで走行可能な距離は、最長で59kmがうたわれている。試乗した日は初夏の陽気に包まれ、56kmを実際に走ることができた。アクセルペダルの操作へ、さほど気を使うことなく。

かつてのプジョーの強みが見事に復活

英国価格は3万8835ポンド(約648万円)からとなり、ゴルフGTEの3万8725ポンド(約646万円)と比べると若干だが高い。しかし、プジョーの場合はアルカンターラの内装とレザー調のシートが標準装備となるため、装備を比べれば逆転する。

インテリアデザインはシンプルでスマートだが、親しみやすいとは感じなかった。プジョーがiコクピットと呼ぶ、小さいステアリングホイールが低い位置に来るレイアウトに、筆者はまだ慣れることができないためだ。

プジョー308 1.6ハイブリッド225 GTプレミアム(英国仕様)
プジョー308 1.6ハイブリッド225 GTプレミアム(英国仕様)

ステアリングホイールのリムに、メーターパネルのモニターが掛かってしまう。運転中、首を傾ける必要がある。

ダッシュボードの中央には、大きなタッチモニターが据えられているが、その下には実際に押せるハードスイッチも残された。メニューボタンも大きく、車載機器の操作性は良好といえるだろう。

郊外へ足を伸ばすと、複雑なPHEVを積んだハイブリッド225ながら、内燃エンジンのみの308と大差なく軽快に走る。かつてのプジョーの強みを、見事に復活させたようだ。

以前に試乗した、1.2Lガソリンターボ・エンジンの308では、操縦性や安定性で高い評価を獲得している。ハイブリッド225でもそれは変わらず、優れたグリップ力と落ち着き、巧みな足さばきで、シャープなルックスに負けないくらい運転が楽しい。

しかも、乗り心地が犠牲になっていないことも美点。硬軟のバランスが光る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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