中古で買うなら? BMW Mモデル 海外の自動車ライターが選ぶ至高の1台

公開 : 2022.08.12 18:25

BMW M(モータースポーツ)の設立から50年。羨望の的となるクルマが多く生まれましたが、今中古で1つ選ぶならどれか?英国編集部のスタッフが1人1台厳選しました。

英国編集部が選ぶ至高の「M」

AUTOCARは、英国編集部のスタッフ(記者、編集者)たちに、BMW Mモデルの中で最も優れたものは何かと尋ねた。

数時間の無駄な時間と、ちょっとした言い争い、生産性のない作業を経て、彼らが出した答えは以下の通り。

中古で1台、BMW Mモデルを買うならどれか?
中古で1台、BMW Mモデルを買うならどれか?

ジェームス・ディスデイル:BMW M5(E34)

E28の後継モデルであるE39が「最高のM5」として賞賛される一方で、E34は見過ごされがちだ。しかし、わたしにとっては、これまでで最も素晴らしいMモデルの1つである。

小さなフロントスポイラーとタービンホイールで強調された鮮明なボディライン。そのエレガンスには、最高出力319psの3.5L 直6という大きな筋肉が隠されている。後期型では345psの3.8Lエンジンと6速MTにより、さらに高速化された。ハンドリングは今日の基準からすると鈍く、シャシーはやや柔らかめだが、美しいバランスを保っており、ストレスを感じることはない。

BMW M5(E34)
BMW M5(E34)

タフに造られているが、現存する車両では錆が問題となるため、夕食のおかずにできるくらいの綺麗な個体を探す必要がある。E30 M3よりも安くE34 M5が手に入るのだから、エンターテイナーとしてだけでなく、日常の足としても満足できるはずだ。

アンドリュー・フランケル:BMW M3(E46)

候補が多すぎて困るが、ひとまずSUVは無視してもいいだろう。純粋なエンスージアストはクーペとセダンに注目するだろうし、よほど勇気のある人でない限りV10搭載車は敬遠すると思う。

Mモデルから得られる最良の教訓は、「過ぎたるは及ばざるがごとし」である。このようなクルマは、ハイパワーのオーバーウェイト車よりも安く、軽く、運転しやすいのだ。

BMW M3(E46)
BMW M3(E46)

今はどの中古車もとんでもなく高いが、5年落ちのBMW M2が2万7000ポンド(約440万円)というのは魅力的だし、E90世代のM3なら、2万ポンド(約320万円)もあれば素晴らしい自然吸気V8と肝心のMTを完備した個体を手に入れることができるだろう。

しかし、もし傑出した中古のMモデルがあるとすれば、それは2000年から2006年にかけて製造されたE46 M3に違いない。情熱的な直6を動力源とし、驚異のシャシーバランスを誇る、コストパフォーマンスとドライビングプレジャーを実現した、現時点で世界最高のMモデルだ。

長い目で見れば、少し高くても走行距離の少ない後期型のクーペを手に入れる方が安上がりかもしれない。SMGのトランスミッションは避けよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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