ボルボV60 詳細データテスト 動力性能もEV航続距離も向上 万人受けの運動性 積載性はほどほど

公開 : 2022.10.01 20:25  更新 : 2022.10.04 07:29

購入と維持 ★★★★★★★★★☆

ハイブリッドシステムの性能向上に対して、価格上昇を抑えたボルボの決断は、ユーザー本位の利他的なものに思えるだろう。もっとも、競争力のある価格設定は、これまでもV60のアドバンテージだった。

オプション抜きで4万7225ポンド(約779万円)という価格は、同等装備のメルセデスC300eエステートよりやや高いが、あちらは後輪駆動だ。同じ4WDとしてはBMW 330e xドライブ・ツーリングがあるが、それよりは安価だ。BMWやDS、シュコダなどに比べ、V60とC300eは社用車としての税率も有利になる。

レベル2自動運転のパイロットアシストは、1100ポンド(約18万円)のオプションで、Rデザインなど下位グレードでも選択可能。ただし、2023年モデルでは最上位グレード専用となる予定だ。
レベル2自動運転のパイロットアシストは、1100ポンド(約18万円)のオプションで、Rデザインなど下位グレードでも選択可能。ただし、2023年モデルでは最上位グレード専用となる予定だ。    LUC LACEY

EV航続距離は、公称値では最大87kmというが、われわれのテストでの平均値は82kmだった。このクラスではみごとな数字で、燃料代やエミッションは重視するが、EVへの移行は控えたいユーザーには魅力的に映るだろう。ちなみに、今年テストしたC300eは77kmだった。

充電ケーブルは、英国では3ピンと7ピンのタイプ2が標準装備。しかし、充電性能は最大3.7kWに過ぎず、フルチャージには5時間かかる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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