先に済ませたいアプリの連携 フォルクスワーゲンID.4 GTX(3)長期テスト 模範的な航続距離

公開 : 2023.01.29 09:45  更新 : 2023.04.12 12:36

日本でも販売が始まるVWのEV、ID.シリーズ。クロスオーバー「4」の実力を、英国編集部が長期テストで確認します。

積算4802km 先に済ませたいアプリとの連携

最近のクルマには多機能なソフトウェアが実装され、スマートフォン・アプリも提供されている。先日は、フォルクスワーゲンのウィーコネクトというアプリに時間を割いた。ただし、ちょっと手こずった。

アプリを手持ちのアイフォーンへダウンロードする手順は、いつもどおり。アイコンをタップし、ドライバー情報を入力し、長期テスト車両のID.4 GTXを登録する手順も煩雑ではない。クルマとの接続には少しの時間を要したが。

フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)

だがここで、些細な発見があった。既にクルマが別のユーザーで登録されている状態では、メインアカウントの設定前に、クルマ側をデフォルト状態へ戻しておく必要があるようだ。

ピカピカの新車を購入したユーザーなら、特に問題はないだろう。だが今後増えるであろう、新古車や中古車を購入したユーザーにとっては、気をつけたいポイントになる。

設定していたインディビジュアル・ドライブモードやラジオのプリセット、レーンキープアシストやナビの設定などが、デフォルト化ですべて消えてしまうためだ。ID.4の購入後は、先にアプリとの連携を済ませることが賢明かもしれない。

これらの再設定は、ダッシュボード上のインフォテインメント用タッチモニターで行う。原状復帰までに短くない時間を要してしまった。以前の記憶を辿り、元通りにはなったけれど。

現在のBEVとして模範的な航続距離

一度アプリの設定が終わると、なかなか便利。駆動用バッテリーの充電量を手元のスマートフォンで確認できるし、エアコンを予め起動させ、車内の温度を調整することもできる。故障時に備え、ロードサービスの連絡先を登録しておくことも可能だ。

バッテリーEV(BEV)ユーザーとして特に便利なのが、最寄りの充電器を表示してくれるマップ機能。アイコンが色分けされ、利用中か空いているかを確認できる。急速充電器も区別されている。航続距離を超えるような旅行では、間違いなく重宝しそうだ。

フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.4 GTX マックス(英国仕様)

とはいえ、気温が高い状態でのID.4 GTXの航続距離に不足はない。カタログ値の484kmに届くことは難しいようだが、最近は449kmという数字がメーター用モニターに表示された。現在のBEVとしては、模範的な性能だと思う。

筆者は以前にレクサスUX 300eの長期テストを担当していたが、そちらは航続距離が短く、常に若干の不安がつきまとった。ID.4 GTXなら、そんな気持ちから開放される。

乗り心地も良好。20インチとホイールサイズは大きいが、小さな起伏を柔軟にいなし、舗装の剥がれた穴を通過しても粗野な振動が伝わることもない。

シートの座り心地は褒められるし、手動ながら調整域も広い。英国価格を考えると、電動シートでもいいとは思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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