子象の人気は止められない ランチア・デルタ HFインテグラーレ 英国版中古車ガイド 国を超えた売買も

公開 : 2023.01.27 08:25  更新 : 2023.01.27 11:40

知っておくべきこと

ランチアは初代デルタの終了とともに英国市場から撤退した。だが、本国では2世代目のデルタが1993年から販売されていた。この2代目デルタにもHF仕様があり、前輪駆動ながら185psが与えられている。

四輪駆動化されることはなく、ラリーへの参戦もなく、ホットハッチと呼べる活発さではあったものの存在感は薄かった。並行輸入され、英国の道を走っている例が稀にある。

ランチア・デルタ HFインテグラーレ(1987〜1995年/欧州仕様)
ランチア・デルタ HFインテグラーレ(1987〜1995年/欧州仕様)

左側通行の国では右ハンドル車の方が乗りやすいが、デルタを選ぶ時は左ハンドル車の方がベター。パッケージングの制約と変更コストを都合に、性能で劣るステアリングラックが組まれている。一般的に、左ハンドルのデルタの方が価値も高い。

初期型のHFインテグラーレ 8vでも、0-100km/h加速を6.4秒でこなす。5000ポンド(約80万円)程上乗せすれば、5.7秒でこなせる16Vが手に入る。これは晩年のエボルツィオーネにも迫るダッシュ力といえる。

英国ではいくら払うべき?

2万5000ポンド(約400万円)〜2万9999ポンド(約479万円)

英国では、初期型のHFインテグラーレ 8vが選べる価格帯。充分に魅力的なデルタだ。

3万ポンド(約480万円)〜3万9999ポンド(約640万円)

状態の良いHFインテグラーレ 8vだけでなく、16Vを英国では選べるようになる。

7万5000ポンド(約1200万円)〜12万4999ポンド(約1999万円)

ランチア・デルタ HFインテグラーレ 16V(1989年/欧州仕様)
ランチア・デルタ HFインテグラーレ 16V(1989年/欧州仕様)

価格帯がジャンプし、状態の良いエボルツィオーネIを英国で探すならこの辺りから。

12万5000ポンド(約2000万円)以上

最終仕様のエボルツィオーネIIを英国では入手できる。走行距離は短く、確かなメンテナンス履歴の1台を選べるはず。

英国で掘り出し物を発見

ランチア・デルタ HFインテグラーレ 16V 登録:1989年 走行距離:14万3000km 価格:3万2995ポンド(約528万円)

年式を考えれば走行距離は妥当。スペインで売られているが、英国の代理店が輸入してくれるという。3オーナー車で、ボディのサビはなく、状態は良好だと主張されている。初代オーナーが、8vを16Vへコンバージョンしたとのこと。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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