オススメはBEV版 DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130へ試乗 小変更でイメージ一新

公開 : 2023.02.02 08:25

ソフトなサスでスムーズな乗り心地

パワートレインは、フェイスリフトに伴いラインナップが削られた。DS3では最も強力だった、155ps仕様の1.2L 3気筒ガソリンターボと、すべてのディーゼルエンジンが廃盤になっている。

最終的に残ったのは、1.2L 3気筒ガソリンターボの101ps版か130ps版の2択。前者の英国価格は2万5950ポンド(約415万円)からに設定され、パフォーマンス・グレードのみが用意される。今回試乗したのは、後者のピュアテック130だ。

DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130 リヴォリ(欧州仕様)
DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130 リヴォリ(欧州仕様)

実際に走らせてみると、組み合わされる8速ATが印象に影を落とす。高速道路の追い越し車線などではシフトチェンジにもたつき、滑らかな加速を得にくい。巡航走行時には、気にならないのだが。

加速時はエンジン音も少々目立つ。0-100km/h加速が9.2秒という、控えめな動力性能も関係している。もっとも、DSオートモービルズは数年後に完全なバッテリーEV(BEV)メーカーへシフトする。内燃エンジンには、重点が置かれていないのだろう。

シャシーまわりで得た変更はない。ソフト寄りのサスペンションは、都市部の速度域ではしなやかに路面をいなし、スムーズな乗り心地を提供してくれる。交差点やカーブでのボディロールは大きめ。BEV版のDS3 Eテンスより、傾くように感じられた。

アウディQ2ミニ・カントリーマン(クロスオーバー)といったライバルの方が、ドライビング体験の楽しさでは上。DS3には、リラックスして運転できる独特の個性が与えられている。

予算に余裕があるならBEV版を

個性的なスタイリングで、DS3の注目度が高いことは間違いない。しかし、プレミアム・モデルとして、ピュアテック130のパワートレインは少々役不足。3万1000ポンド(約496万円)のクロスオーバーに期待する、洗練度は得られていないように思う。

予算に余裕があるのなら、BEV版のDS3 Eテンスを検討された方が良いかもしれない。オシャレさはそのままに、DSオートモービルズが意図しているであろう、上質なドライビング体験を享受できる。

DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130 リヴォリ(欧州仕様)
DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130 リヴォリ(欧州仕様)

DSオートモービルズ DS3 ピュアテック130 リヴォリ(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万1000ポンド(約496万円)
全長:4484mm
全幅:1856mm
全高:1585mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:9.2秒
燃費:15.2km/L
CO2排出量:142g/km
車両重量:1205kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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