ポルシェ356 現代に復活 75周年記念プロジェクト 718 GT4 RSベースで最高出力500ps

公開 : 2023.01.26 18:25

ポルシェの名を冠した初の市販車、356の登場から75年を記念したコンセプトモデル「ビジョン357」が公開されました。718ケイマンGT4 RSをベースに、歴史と現代性を融合させたデザインとなっています。

ポルシェ75周年記念の「プレゼント」

ポルシェは、1948年にデビューした356へのオマージュとして、コンセプトモデル「ビジョン357」を公開した。誕生から75周年を記念して制作されたデザインスタディである。

ビジョン357は、可憐な356のデザインを想起させるとともに、現代的なフロントエンド、丸みを帯びたリア、雄々しいフレアホイールアーチを特徴としている。

ビジョン357は、ポルシェ718ケイマンGT4 RSをベースとする。
ビジョン357は、ポルシェ718ケイマンGT4 RSをベースとする。    ポルシェ

75周年記念ロゴをドアとボンネットにあしらった特別なカラーリングで、レーシングカーのような風格を漂わせる。

このコンセプトモデルを生み出したスタイル・ポルシェのマイケル・マウアー副社長は、「過去、現在、未来を首尾一貫して結合する試み」であり、「未来への展望を視覚化するディテール」を披露するものであると述べている。

ただし、ビジョン357が今後のポルシェのスタイリングを示すものかどうかは明言されず、次世代911を予告するものでもないという。

マウアー氏は、「いつか市販車に採用されるかもしれない要素もある」とし、昆虫のようなヘッドライトやボディ一体型のテールライトが将来的に導入される可能性を示唆した。「これは1つの可能性であり、ビジョンであり、あるいは夢と言ってもいいでしょう」

また、バーチャルエクステリアミラー(デジタルサイドミラー)も、ポルシェに搭載される可能性が高いという。

最高出力500ps 市販化の可能性も?

パワートレインは、最高出力500psを発揮する718ケイマンGT4 RSの4.0L 6気筒をミドシップに搭載しているが、合成燃料で走るための改良が加えられている。オリジナルの356に搭載されるフォルクスワーゲンビートル由来の1.0L 4気筒は、最高出力35psである。

トランスミッションも718ケイマンGT4 RSと同様、7速DCTを採用。後輪駆動方式とされた。駆動系のほかにも、キャビンのすぐ後ろにサイドマウントされたエアインテークなど、718ベースのデザインが確認できる。

ポルシェ・ビジョン357と初代356
ポルシェ・ビジョン357と初代356    ポルシェ

インテリアはまだ制作されていないとのことだが、仮に市販化されるとしたら、718ケイマンに似たようなレイアウトになるだろうと想像される。

市販化の可能性を問われたマウアー氏は、「あり得るでしょう」と答え、次のように続けた。

「わたし達はいつも、単なるコンセプトにとどまらないものを作ろうと心がけています。しかし、今回のビジョン357は『誕生日プレゼント』として生まれました。わたしもぜひ欲しいですね」

現在に続くポルシェの原点となった初代356の誕生75周年記念として、ビジョン357は「数あるプレゼント」のうちの1つとされている。他に何を用意するのかについて問われたマウアー氏は、記者団に「待っててくださいね」と答えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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