次世代への転換点 スーパーソコTCマックスへ試乗 現在のベスト電動バイク

公開 : 2023.02.06 08:25

高級モデルに感じる洗練されたデザイン

ライディング・モードには3段階あるが、回生ブレーキの効きの強さが変わるわけではない。変化するのは最高速度で、モード1では48km/h、モード2では64km/h、モード3では本来の96km/hまで許されるようになる。

筆者の場合、試乗時の殆どをモード3に設定していたが、内燃エンジン・バイクに問題なくついていけ、流れの速い環状道路なども快適に走れた。赤信号からの加速も充分鋭い。

スーパーソコTCマックス(欧州仕様)
スーパーソコTCマックス(欧州仕様)

1つ気になったのが、スロットルのレスポンス。一定の開度を保っていても、制御的に僅かに速度変化する様子だった。例えば、ピッタリ50km/hを長距離保つことなどが少し難しい。

スタイリングの印象は、見る人の好みで左右されるとはいえ、筆者は洗練されたデザインに魅了された。少し離れて眺めると、高級なモデルに感じられる。

取材時もこのバイクが何なのか、値段はいくらなのか、通りがかりの人から頻繁に尋ねられた。アルミホイール仕様で4399ポンド(約70万円)だと知ると、一層関心を強めていたようだ。

近寄って観察すると、製造品質は価格なりだということが見えてくる。プラスティック製のパネルは華奢な印象だし、アナログのスピードメーターと液晶モニターがレイアウトされたメーターパネルは、バックライトが暗い。天候次第では判読が難しい。

キーレスシステムとイモビライザーを搭載するが、アラームが不意に鳴ることもあった。アラームを止めるためにも、本物のキーはすぐに手にできる位置で持ち運びたい。

次世代への転換点になる仕上がり

冒頭でも触れたが、AUTOCARの姉妹メディアで、スーパーソコTCマックスは2022年のベスト電動バイク・アワードを受賞している。見た目のカッコ良さだけでなく、実用性や航続距離、手頃な価格、充電のしやすさなど総合力は高い。

改めて長時間試乗した今回も、その受賞結果に疑問は抱かなかった。製造品質が高いとまではいえず、少々気になる部分もあるとはいえ、乗りやすい手頃な電動バイクであることに間違いはない。

スーパーソコTCマックス(欧州仕様)
スーパーソコTCマックス(欧州仕様)

むしろ、内燃エンジンの同等モデルを置き換えられる実力を有する。TCマックスは、次世代への転換点になる仕上がりだ。

スーパーソコTCマックス(欧州仕様)のスペック

英国価格:4499ポンド(約72万円)
全長:1982mm
全幅:740mm
シート高:770mm
最高速度:96km/h
0-100km/h加速:−
航続距離:96km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:100kg
パワートレイン:電気モーター
バッテリー:2.7kWh
最高出力:6.1ps
最大トルク:−
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    Move Electric UK

    Move Electric UK

    英国の純EV専門メディア
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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