SUV最高の快音 マセラティ・レヴァンテ 英国版中古車ガイド V6とV8はフェラーリ由来

公開 : 2023.03.01 08:25

トロフェオでは21インチ・ホイールが標準

装備は2016年の初期型から充実していた。デュアルゾーン・エアコンにクルーズ・コントロール、アダプティブ・エアサスペンション、パワーシート、パワーテールゲートなどが標準。インフォテインメント用に8.4インチのタッチモニターも備わる。

グランスポーツ・グレードを選ぶと、スポーツシートとアルミニウム製シフトパドルなどを獲得。トリム類もブラックに仕立てられ、一層スポーティな仕立てになる。

マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)
マセラティレヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

グランルッソは、プレミアム・オーディオにソフトクロージング・ドアなど、ラグジュアリー志向。パーキングセンサーも付いてくる。

GTSはハイエンド・オーディオにレザー張りのスポーツシート、アルミ製シフトパドルなどを獲得。ルーフエンドにリアスポイラーが追加され、前後のバンパーはアグレッシブなデザインになり、タダモノではないSUVだと主張する。

トップグレードのトロフェオでは、アルミホイールは21インチが標準に。サラウンド・モニターにハイエンドなレザー内装、専用シフトノブ、カーボンファイバー製シフトパドルなども与えられる。前後のバンパーもカーボンで飾られ、差別化に抜かりはない。

知っておくべきこと

英国価格は、2016年の発売時で5万4335ポンドからだったが、トロフェオになると12万4900ポンドへ急上昇した。GTSでも10万4900ポンドからだった。

現在の中古車市場を見てみると、走行距離が5万km前後のターボディーゼルで3万5000ポンド(約563万円)ほど。V6ツインターボ・ガソリンでは4万ポンド(約644万円)以上は必要になる。V8ツインターボになると、その倍はするようだ。

マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)
マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ヘッドライト

2017年末から2019年初頭にかけて製造されたレヴァンテの一部は、フロントのLEDヘッドライトが英国の基準に合致していないということで、リコールが出されている。ディーラーでの無償対応となった。

荷室容量

全長5mを超えるレヴァンテだが、荷室は思いのほか小さい。容量は580Lで、ランドローバーレンジローバー・ヴェラールの632Lや、ポルシェカイエンアウディQ7の770Lと比較して明確なビハインド。リアシートを折りたたんだ条件でも同様だ。

マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)
マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:レヴァンテ V6 S

聴き応えのあるエンジンサウンドを伴いながら、鋭い加速を味わえる。V8エンジン版より安価でもある。ベースグレードでも、追加の必要がないほど装備は充実している。

ワイルドカード:ポルシェ・カイエン

クラス最高の乗り心地と、整ったインテリア、SUVらしからぬ動力性能を求めるなら、ライバルのポルシェ・カイエンが最有力。英国では、2017年式のV6ガソリンターボ・モデルがレヴァンテと同じ価格帯で探せる。

マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ(欧州仕様)
マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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