フェラーリV8をミドシップ スバッロ・スーパーエイト 240馬力の酔わせる融合 前編

公開 : 2023.03.26 07:05

240psの最高出力を発揮できるシャシー

3.0L V8エンジンと5速マニュアルが組み合わされたパワートレインだけでなく、シャシーにブレーキ、サスペンション、サブフレームなども、308 GTSから受け継いでいる。240psの最高出力を、ちゃんと発揮できるように作られている。

四角いボディは、レオナルド・フィオラヴァンティ氏による、低く流麗なスタイリングとはまったくの別物。だが、ちょうど同時期に発表された、テスタロッサに似た処理が施されている。その頃のモダンな潮流に着想を得たのだろう。

スバッロ・スーパーエイト(1984年/欧州仕様)
スバッロ・スーパーエイト(1984年/欧州仕様)

見た目で最大の特徴といえるのが、何枚ものフィンが並んだ、ボディサイドの大きなエアインテーク。低く構えたフロントのヘッドライトも、フィンでクールに決めている。前方に広がったフロントスカートは、ガレージ前の除雪ができそうな低さだ。

リアまわりの造形は平滑だが、低い位置の左右から2本出しのマフラーカッターが上方に伸びる。まるで後続車両を威嚇するように。四角いテールライトは、オペル・キャバリエ Mk2から流用されている。

深リムのアルミホイールを包む極太のリアタイヤや、リアフェンダーの広がり方が尋常ではない。太めのBピラーにはオレンジのステッカーがあしらわれ、フランコの美学がグラフィックとしても展開されている。

言葉として並べると、要素が喧嘩しそうに思える。しかし実際は、レッドのボディのなかで驚くほど調和している。仕上げも細部までハイクオリティだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フェラーリV8をミドシップ スバッロ・スーパーエイト 240馬力の酔わせる融合の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

フェラーリの人気画像