DS7 詳細データテスト パフォーマンスはまずまず ハンドリングもそこそこ EV走行はかなり快適

公開 : 2023.05.06 20:25  更新 : 2023.06.09 15:10

DS7クロスバックからDS7へと名を変えたSUVの、最強仕様をテスト。乗り心地には多少の問題が残っているものの、シャシー改修で操縦性の魅力はアップ。パワートレインは、今後の電動ブランド化を期待させるものでした。

はじめに

バッテリーが十分なスタミナとエネルギー密度を発揮できるほど進歩するまでは、パフォーマンスカーはプラグインハイブリッド優勢となるだろう。

メルセデスAMGのC63は、V8を4気筒PHEVにスワップした。BMWはXMにV8を積むが、29.5kWhのバッテリーを追加し、次期M5にも同様のパワートレインを使う見込みだ。ポルシェパナメーラの最強バージョンは現状だとターボS E−ハイブリッドだし、フェラーリ296もマクラーレンアルトゥーラも、ランボルギーニの新たなフラッグシップであるレヴエルトも、電気モーターと外部充電が可能なバッテリーで内燃エンジンを補助している。

テスト車:DS7 E−テンス4x4 360ラ・プルミエール
テスト車:DS7 E−テンス4×4 360ラ・プルミエール    LUC LACEY

そこまでレアなセグメントではないが、ここ数年のステランティスは同様のアイデアを用いている。皮切りとなったのはプジョー508PSEで、エンジンとモーターのコンビネーションは350psオーバーのプジョーという可能性を現実のものとした。それは大パワーを発揮するばかりではない。ちょっとおもしろいクルマに乗りながら節税もしたいという、欲張りな願望も叶えてくれる。

この戦略は次のステップとして、ラグジュアリーブランドのDSオートモビルにも及ぶこととなった。その成果が今回のテスト物件、DS7 E-テンス4×4 360だ。DS7のフェイスリフトに合わせて設定された、新たなハイパフォーマンス仕様である。このクルマ、はたして改良前モデルの問題点を改善しながら、それなりのスポーティさとDSブランドの売りである洗練性をうまく両立できているのか、試してみようではないか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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