DS7 詳細データテスト パフォーマンスはまずまず ハンドリングもそこそこ EV走行はかなり快適

公開 : 2023.05.06 20:25  更新 : 2023.06.09 15:10

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

DSの値付けは、やや混乱を招く。というのも、正式な本体価格が、オンラインのDSストアよりかなり高くなっているからだ。

たとえば、最上位グレードのラ・プルミエールは、テスト車のように4×4 360仕様にのみ設定されるが、6万2940ポンド(約1070万円)というカタログプライスに対し、オンライン価格は5万9190ポンド(約1006万円)なのだ。ウェブサイトでも英国で主流のリース契約は可能なので、ディーラーで試乗してからオンラインでオーダーすることができない事情でもない限り、オンライン価格で契約するだろう。

DS7、それも今回の最上位グレードとなる特別仕様は、かなりの値落ちが予想される。これならEVを買うという選択肢も視野に入ってくる。
DS7、それも今回の最上位グレードとなる特別仕様は、かなりの値落ちが予想される。これならEVを買うという選択肢も視野に入ってくる。

それでも、同等装備のBMW X1 xドライブ30eは5万7195ポンド(約972万円)と割安だ。これがX3 xドライブ30eになると、6万6305ポンド(約1127万円)へと上がる。DS7は残価率が低いと予想され、ローン金利が高いので、X1よりX3に近い支出となってしまう。

下位グレードであれば、状況は好転する。中間仕様のE−テンス225リヴォリならば、装備は充実していながら4万5840ポンド(約779万円)となり、X1が1 xドライブ25eよりわずかに安い。とはいえ、その場合のDS7は4WDではなくなる。

PHEVの4×4 360は、コンスタントに充電できるのであれば、すばらしい燃費性能を発揮するだけのポテンシャルがある。1週間、EV走行もハイブリッド走行も、バッテリーの充電レベルを維持するモードも使い、動力性能の計測も行っての平均燃費は13.3km/L。もっと短距離のEV走行が増えれば、これよりかなりいい数字を出せただろう。なお、充電切れ状態での113km/h巡航では、13.0km/Lだった。

E−テンスことPHEVモデルのEV航続距離は、最高でも64kmに届かないが、もっともパワフルな360でも58kmと、仕様による差は小さい。とはいえ、テストでの実測では47kmだった。バッテリーの実用容量は12.9kWhなので、計算すると3.6km/kWhということになる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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