間違いなく面白い154ps アバルト500eへ試乗 毎日を笑顔にするホットなBEV 前編

公開 : 2023.05.25 08:25

排気音を模したサウンドジェネレータ

BEVらしい装備といえるのが、アバルト・サウンドジェネレータ。荷室フロアの下にアンプとサブウーファーが組まれ、別に専用のスピーカーも備わる。アバルト・レコルト・モンツァの排気音を模したような、図太いサウンドを再生するために。

システムのスタートボタンを押すと、サウンドジェネレータの響きは耳だけでなく背中からも感じる。サブウーファーで低音域が強調され、かなりうるさい。量産車として認可される、ギリギリのボリュームだとか。

アバルト500e ツーリスモ(欧州仕様)
アバルト500e ツーリスモ(欧州仕様)

このシステムの開発には、述べ6000時間が費やされたそうだ。古くからのアバルト・ファンの意見を参考にしながら。

アバルトの欧州部門を率いるガエターノ・ソレル氏によれば、感情を揺さぶるために必要な機能だったという。BEVの音響体験が乏しいことは事実で、真剣に向き合った成果として評価すべきだろう。感じ方は、人それぞれだと思うが。

さて、今回アバルト500eを試乗したのは、バロッコのテストコースと周辺の一般道。比較のため、サーキット・エリアでは内燃エンジンの695が先行するかたちで走行した。

ピットレーンに並ぶ小さな500eへ乗り込む。ドライビングポジションは、内燃エンジン版と比較してそこまで高くないことに安心する。内装の大部分はブラックのアルカンターラで仕立てられ、スポーティな雰囲気に不足はない。

基本的なインテリアのデザインは、通常のフィアット500eと同じ。アシッド・グリーンとポイズン・ブルーという、アバルト専用のボディ色に合わせて、鮮やかなステッチが施される程度だ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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