実用的なのに見た目も良い欧州ミニバン 10選 奥が深すぎる合理的なMPVの世界

公開 : 2023.05.28 18:05

6. フォードSマックス

フォードは、欧州で古典的なミニバンにこだわっている数少ないメーカーの1つだが、それは古いモデルを長く生産し続けることを意味する。現行型のSマックスは2015年から生産されており、旧式化しつつあるが、新しいハイブリッド・パワートレインとインフォテインメントのアップデートにより、新しさを保っている。

先代は驚くほど良い走りと風変わりなルックスをセールスポイントとしていたが、そうした個性は単調な2.5Lガソリンベースのハイブリッドによってやや薄れてしまった。しかし、それでも競争力のある、運転が楽しいファミリーカーであることに変わりはない。また、最高出力190psとパワーがあるため、不足を感じる場面は少ないだろう。

6. フォードSマックス
6. フォードSマックス

Sマックスを選ぶ理由は見つけづらくなっており、先代が持っていたダイナミクスや目を引くデザインはほとんど失われ、商用車ベースの他車の影に隠れている。しかし、この経済的に厳しい時代でも、フォードのディーラーは在庫を片付けるために積極的な販売をしたいと思うだろうし、それなりの割引があれば、快適で実用的なマシンとして大いに期待できる。

7. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー

衰退しつつある分野で、高級車ブランドであるBMWがミニバンにこだわっているのは、いささか驚きである。実際、最新の2シリーズ・アクティブツアラーは、単なる先代のフェイスリフトではなく、現行の1シリーズをベースにしたまったく新しいマシンだ。その結果、上品で落ち着いたハッチバックでありながら、実用性も十分に備えている。

7人乗りのグランツアラーは廃止され、残るは5人乗りのアクティブツアラーのみとなった。1シリーズとさほど変わらないサイズで、子育て中の家族には十分なスペースが確保され、リアはスライドシートで荷物や足の置き場所を選べる余裕のある空間だ。また、深いドアポケットやフロントシートの間にある便利な蓋付きキューブなど、収納スペースも充実している。

7. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー
7. BMW 2シリーズ・アクティブツアラー

さらに、2シリーズには、最新の洗練されたインフォテインメント・システムと先進運転支援が搭載されている。走りもBMWらしいフィーリングで、十分な軽快さとコントロール性を備えているため、ファミリーカーと言えども運転する楽しみを犠牲にしたくないという、熱心なドライバーを満足させてくれる。

スムーズでレスポンスの良いガソリンベースの48Vマイルドハイブリッドと、ディーゼルの218dに加え、PHEVの225xeと230xeも用意されている。後者は326psという驚異的なパワーを発揮する一方、電気航続距離は90kmに達し、税金面での優位もある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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