ポルシェ 356は今いくら? 【Part1】 スピードスターの相場をオークション結果で知る

公開 : 2023.07.01 11:45

スピードスターは今いくら?

356ファミリーの中でスピードスターは、誕生以来特別な存在であり続けている。そもそもスピードスターはアメリカに向けたモデルだけに、その多くがアメリカで開かれたオークションに集中している。ここでは米ドルでの落札額の推移を見てゆこう。

2014年に始まったコレクターズカーのバブル以前は、プリ-A/A 問わず17万ドルから25万ドルで落札され、コンバーチブルDはやや人気薄で15万ドルからだった。バブル期に入るとプリ-A/A は40-50万ドルに跳ね上がり、4カム・エンジンを積む1500GS スピードスターは最高で驚きといえる154万ドルを記録している。コンバーチブルDも上昇したが30万ドルを超える程度だった。

1958年ポルシェ 356 A 1600 スピードスター
1958年ポルシェ 356 A 1600 スピードスター    Kevin Van Campenhout/RMサザビーズ

バブルがはじけた後はプリ-A/Aのボトムは20万ドル程度まで落ちるが、コンディションや素性が良い極みといえる個体は50万ドル超える例も見られた。その後再び上昇傾向になり、この1年の結果を見るとプリ-A/Aで28万から53万ドルで落札されている。コンバーチブルDは出品がなく、最新のデータは得られていない。極め付きで希少な1500GS カレラGT スピードスターは再び上昇傾向にあり、2022年8月のオークションでは132万5000ドルと別格であることを証明する額を記録している。

円安がハードルを上げていた

現在、日本から購入する際に大きな障害となっているのが「円安」だ。6月26日現在で1米ドルが143円43銭で、2年前なら111円だったので約3割も余計に払うことになる。一例として30万ドルのスピードスターを買うとなると、日本円で約4303万円になってしまう。111円の時代なら3330万円で済んでいただけに、その差は歴然だ。円安は個人で解決できる問題ではないのと、しばらく続きそうな気配なので、受け入れるしかなさそうだ。もし円高に移行すれば、買いのチャンスといえよう。

1958年ポルシェ 356 A 1600 スピードスター
1958年ポルシェ 356 A 1600 スピードスター    Kevin Van Campenhout/RMサザビーズ

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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