新型ランドクルーザー「5つのこだわり」をトヨタ執行役員が語る 250のパワートレインは“超難題でした”

公開 : 2023.08.05 14:43  更新 : 2023.08.05 15:40

トヨタ幹部が語る、ランドクルーザー250の「5つのこだわり」。“超難題でした”というのは米・中に向けた「新たな選択肢」の登場です。

悪路走破性は、フラッグシップ同等に

トヨタが予告していた「新型ランドクルーザー」が発表され、従来のプラドの後継にあたる「ランドクルーザー250」としてデビューした。

タフ・プレミアム系である「300」の好調、ヘビーデューティ系の「70(ナナマル)」の復活。この2台の真ん中を狙う「ランクルのコア・モデル」と紹介された250は、どんな使命を担うのか?

ランドクルーザー250という名前でデビューした新型。これでランドクルーザーシリーズは「300」「250」「70」が揃い、再び3つの系統が新車で手に入る。
ランドクルーザー250という名前でデビューした新型。これでランドクルーザーシリーズは「300」「250」「70」が揃い、再び3つの系統が新車で手に入る。    トヨタ

同社のデザイン領域を率いるサイモン・ハンフリーズ執行役員(チーフブランディングオフィサー)が、発表会の場で5つのこだわりを教えてくれた。

1つ目は、“命をあずかる堅牢性”。

250の車体構造は、新たにラダーフレームの「GA-Fプラットフォーム」を採用した。悪路走破性は、同じ車体構造を用いるフラッグシップのランクル300と同レベルだという。

「さらに、圧倒的な実用性もお約束します」

「ランクル初の電動パワーステアリングを採用し、オンロードでは操作性と快適性を向上。オフロードではキックバックを低減しました」と、新型車への自信を語った。

パズルのピースは、耐久性・燃費・性能

2つ目は“新たな選択肢”。つまり、ランクル初のハイブリッド車の登場だ。

「地球上のあらゆる場所で使われるランクルだからこそ、多様なニーズに対応すべく、多様な選択肢が必要なのです」と語ったハンフリーズ氏。

ワールドプレミアに展示されたもう1台。発表会の反響を見ていると、丸目(車体色:黄色)の人気が高いが、暗がりに潜む角目もいい雰囲気。
ワールドプレミアに展示されたもう1台。発表会の反響を見ていると、丸目(車体色:黄色)の人気が高いが、暗がりに潜む角目もいい雰囲気。    小川亮輔

耐久性を犠牲にすることなく、燃費とパフォーマンスを向上させたという。

「ハッキリ言って超難題でしたが、誰もが、カーボンニュートラルへの道に参加できるようにしたかったのです」と付け加えた。

その構成は、2.4Lガソリンターボ+ハイブリッド+8速ATというもの。最高出力330ps、最大トルク64.2kg-mとパワフルだ。

残念なことに北米・中国向けとなるので日本導入は現実的でないが、トーイング需要の高いアメリカ市場でこのパワーは重宝されるだろう。

3つ目は“極限での直感的操作”。

「意のままに操れないと、命を預けるクルマとして信頼できません。感覚的に識別でき、操作できるコクピットであること」

そのために、ダカール・ラリーのチャンピオン、三浦昂氏に協力を仰いだという。

「彼は、過酷を極める状況でも、最小の労力で、最大の精度を叶えるヒューマン・マシン・インターフェイスが極めて重要だと語ってくれました」

ーーどこへでも行き、生きて帰ってこられるーーというランクルの代名詞は、250の世代にも引き継がれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事