ファンを魅了した軽量ボディ アルファ・ロメオ4C 英国版中古車ガイド 今が狙い時

公開 : 2023.08.29 08:25

生産終了から3年が経過した、ライトウエイト・ミドシップの4C。エモーショナルな魅力を、英国編集部が振り返ります。

シャシーもボディもカーボンファイバー製

発表から10年が経ち、生産終了から3年が経過しても、アルファ・ロメオ4Cの注目度は高いまま。バトンタッチするようにアルピーヌA110が登場し、ライトウエイト・ミドシップの魅力を伝播してくれているものの、エモーショナルな4Cも霞むことはない。

現在、英国市場に存在する4Cは475台。近年まで中古車として流通する数は限られていたが、ここ数年は増加傾向にある。執筆時点で20台が売りに出ており、4万4000ポンド(約796万円)前後の値段が付けられている。

アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)
アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)

4Cには、オリジナルのクーペだけでなく、2015年にスパイダーも追加されている。新車時の英国価格は、クーペで5万2000ポンド、スパイダーで5万9500ポンドだった。

アルファ・ロメオのファンなら釈迦に説法かもしれないが、スポーツカーは飾っておくより運転した方が堪能できる。4Cの中古車の走行距離は、この種のモデルとしては比較的長めといえ、約4万8000kmを刻んだ例も含まれるようだ。

シャシーは、高強度なカーボンファイバー製タブを中心に、前後へアルミニウム製のサブフレームが組まれた構造。ボディパネルもカーボンコンポジット素材で、衝撃の吸収性は高い。しかし、過度な力がかかると割れてしまう。

サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがマクファーソン・ストラット式。ステアリングにはパワーアシストが備わらない。

クーペで925kg クルマ好きを魅了するボディ

ミドシップされるエンジンは、最高出力240psを発揮する1.75Lの直列4気筒ターボガソリン。ウルトラクイックな変速を決める6速デュアルクラッチATを介して、リアタイヤを駆動した。

車重は非常に軽く、クーペで925kg。スパイダーでも1080kgに留められ、0-100km/h加速を4.5秒でこなす。中間加速は、この数字以上に鋭く感じられる。

アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)
アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)

スタイリングはエレガントでダイナミック。多くのクルマ好きを魅了したが、AUTOCARでは、発表直後に傷んた路面で露呈する操縦性の乱れを指摘した。実際、アルファ・ロメオはサスペンションへ調整を加えるため、初期型へリコールを出している。

最初に提供された4Cが、クーペのローンチエディション。専用色で塗装され、前18インチ+後19インチのテレダイヤル鍛造アルミホイールを履く。カーボンカバー付きのLEDヘッドライトと、専用サスペンション、レース・エグゾーストも装備した。

2015年のスパイダー追加とともに、ステアリングとサスペンションには更にチューニングが施され、上質なレザーインテリアも与えられた。2016年には、大径ホイールとレース・エグゾースト、専用色で仕立てられたスパイダーの特別仕様も登場している。

希少価値が高いのは、2018年に発表された4C コンペティツィオーネ。しかし2019年にクーペの生産が終了し、2020年にはスパイダーもラインナップから消えてしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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