物理コントロールを残す良心 VWグループ傘下のスコダ、主力車種がモデルチェンジ 今年後半に発売へ

公開 : 2023.08.30 06:25

VWグループ傘下のスコダは今年後半に発売予定の新型スパーブ(Superb)の内装を公開。欧州販売の中核をなす上級モデルですが、タッチ操作ばかりではなく、人間工学に基づいた回転式ダイヤルを残しています。

スコダ主力モデル、第4世代へ

フォルクスワーゲン・グループ傘下でチェコの自動車メーカーであるスコダは、ミドルサイズセダンおよびステーションワゴンの新型スパーブを欧州で一部公開した。インテリアを全面的に刷新し、回転式ダイヤル、新しいインフォテインメント・システム、持続可能な素材を採り入れている。

スコダ・スパーブの歴史は戦前に遡るが、現代的なバージョンが登場したのは2001年で、フォルクスワーゲン・パサートLWBをベースとする上級セダンとして導入。2008年に発売の第2世代からセダン(5ドア・ハッチバック)とステーションワゴンの2タイプ体制となり、2015年の第3世代(現行型)はグループのMQBプラットフォームを採用している。今回の最新型は第4世代に数えられ、2023年後半に発売予定である。

新型スコダ・スパーブのプロトタイプ
新型スコダ・スパーブのプロトタイプ    スコダ

操作性を重視した内装設計

スコダの発表によると、インテリアの多くの機能が再設計され、インストゥルメント・クラスター、ステアリングホイール、ダッシュボード、インテリアトリムのすべてが変更されるという。

おそらく欧州のドライバーに最も歓迎されるのは、回転式ダイヤルの導入だろう。近年、フォルクスワーゲン・グループの一部モデルではタッチ操作ベースのシステムの使い勝手に問題があるとして批判を浴びており、計画前倒しでマイナーチェンジを施すなど対応に奔走している。

新型スコダ・スパーブの回転式ダイヤル
新型スコダ・スパーブの回転式ダイヤル    スコダ

新型スパーブでは13インチのインフォテインメント・タッチスクリーンの下に3つの回転式ダイヤルが配置されており、いずれも32mmの小型ディスプレイを内蔵し、回転だけでなくプッシュ操作も可能だ。左右の2つのダイヤルはシートヒーターと室内温度の調節に、中央のダイヤルはインフォテインメントの音量やファンの風量、ナビ画面の縮尺などの調節に使えるとのこと。

その他、4つのUSB-Cポート、マッサージシート、4ウェイ調節可能なランバーサポートが追加され、上級モデルらしく装備が充実している。ギアセレクターもステアリングコラム上に配置された。

今回、スコダは新型スパーブのインテリアと一部の機能のみを公開した。エクステリアと仕様詳細は今年後半に公開される予定だ。欧州発売は2023年末で、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドが用意される。

マイルドハイブリッドとPHEVも導入予定

スコダはEVへの移行を進めているが、そんな中でも内燃エンジン車のラインナップを「重要な柱」と位置づけている。「市場がさまざまなスピードでeモビリティに移行していく中で、このラインナップは顧客のニーズを満たすでしょう」とスコダは言う。

スパーブとほぼ同じタイミングで、ミドルサイズSUVのコディアックもフルモデルチェンジを迎える。この2車種について、スコダのクラウス・ツェルマーCEOは次のように述べている。

新型スコダ・スパーブのプロトタイプ
新型スコダ・スパーブのプロトタイプ    スコダ

「スパーブとコディアックは、スコダのモデルレンジにおける2つの重要な基盤です。だからこそ、両車の新世代モデルを紹介できるのは、わたし達にとって特別なことなのです」

「スパーブは内燃エンジン車ポートフォリオのフラッグシップであり、第4世代もハッチ(セダン)とエステート(ステーションワゴン)の両形態で快適性と広さの基準を設定し続けます」

「スコダはベストを提供し続け、お客様のニーズに応えていきます。そのため、両車ともプラグインハイブリッドやマイルドハイブリッドのオプションも設定する予定です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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