向かうところ敵なしのオフローダー ウニモグUHEへ試乗 理解すれば価格も納得 後編

公開 : 2023.09.10 08:26  更新 : 2023.09.10 13:48

人間では踏破できない場所を走る面白さ

ブレーキペダルは軽く踏め、空気圧で制御されるディスクブレーキが強力に制動力を生み出す。アクセルペダルはストロークが長く、ディーゼルエンジンはじんわり反応する。この穏やかな特性が、オフロードでは重要になる。

1100rpmで発生する91.6kg-mものトルクを、繊細に扱える。変速は、通常はウニモグにお任せできる。シリアスなオフロードでは、マニュアルでドライバーが必要なギアを選ぶことも可能だ。

ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)
ウニモグUHE エクストリーム・オフロード(欧州仕様)

ボディは重く、幅が455mmというモンスタートラックのような24インチ・タイヤは扁平率が70もあり、乗り心地は抜群。大きな起伏へUHEを進めてみると、ゆったりボディロールを示す。

ステアリングホイールは軽く回せるが、油圧パワーステアリングのおかげで、タイヤと路面の状態がしっかり手のひらへ伝わってくる。泥に足を取られてスリップしたり、大きな岩に引っかかっても、すぐに状況を掴める。

操縦に対する反応は、素直でダイレクト。正確に狙ったラインを辿れ、望ましいギアを選んで崖を登ったり、アイドリング状態で慎重に河川を渡れる。人間の足では踏破できない場所を乗り越えることは、想像以上に面白い。

急な下り坂では、強力なエンジンブレーキが効果を発揮。1400rpmが保たれ、ブレーキペダルを踏む必要性は低い。運転しがいのあるクルマといえる。

お高めの価格も内容を理解すれば納得

新車価格が20万ポンド(約3620万円)を超えると聞いても、その内容を理解すればまったく疑問は抱かない。他のモデルでは目指せない場所まで、人と荷物を容易に運べるという高度な能力を考えれば、選ばれて当然といえる。

なかには、個人的なオフローダーとしてオーダーする人もいるというが、それにも理解できる。こんなクルマは他にない。

ドイツ西部、ガッゲナウにあるウニモグ・ミュージアムの展示車両
ドイツ西部、ガッゲナウにあるウニモグ・ミュージアムの展示車両

ウニモグは、購入プロセスをスムーズに改めたいと考えているそうだ。ディーラーには、コンフィギュレーターも用意されるとのこと。

機会があれば、ドイツ西部、ガッゲナウにあるウニモグ・ミュージアムを訪ねてみてはいかがだろう。我が社や我が家に1台、と希望することになっても責任は負えないが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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