蘇ったレジェンド トヨタ・スープラ(DB型) 英国版中古車ガイド オシは軽い2.0L版

公開 : 2023.09.17 19:05

信頼できる楽しいFRのスポーツカー ボクスター GTSを上回る0-100km/h 4.3秒 英国編集部のオシは軽く快活な2.0L版

ボクスター GTSを上回る0-100km/h 4.3秒

レジェンドの名を蘇らせることは、簡単ではない。しかしトヨタは、2019年に20年間もブランクが空いていたスープラを、見事に復活させた。

開発を主導したのは、トヨタの高性能モデルを手掛けるガズー・レーシング。彼らの息がかかった、最初の量産モデルがスープラだ。

トヨタ・スープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)
トヨタ・スープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

5代目BMW Z4とベースを共有し、今も物議を醸していることは事実。生産も、そのロードスターと同じオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が担っている。とはいえ、トヨタが入念にチューニングを加え、兄弟モデルとは異なる次元の仕上がりにある。

当初、英国仕様のスープラに搭載されたエンジンは、BMWのB58型と呼ばれる3.0L直列6気筒ターボ1択。最高出力360ps、最大トルク50.7kg-mを発揮し、不足ない動力性能を生み出した。

ローンチコントロールを備え、0-100km/h加速は4.3秒。ポルシェ718ボクスター GTSの、4.3秒を上回る鋭さだった。

トランスミッションも、BMW Z4と共有するZF社製の8速AT。ドライブモードには、ノーマルとスポーツという2種類が実装された。乗り心地は、全般的にしなやかだ。

2021年には、BMW 330i由来となる2.0L 4気筒ターボ版が英国にも登場。最高出力257ps、最大トルク40.7kg-mと、3.0L版には劣るものの、車重が100kgも軽く0-100km/h加速を5.2秒でこなせる。

フロントが軽く走りが快活な2.0L版

パワーユニットの魅力でいえば、素晴らしい設計の3.0L版が上だろう。アクセルレスポンスはシャープで、ターボラグは殆どない。他方、2.0L版は燃費が13.7km/Lと良好で、フロントが軽く走りは快活。コーナリング時の振る舞いも、よりダイナミックだ。

ただし、3.0Lエンジンのドライビング体験が退屈というわけではない。豊かなパワーで、テールスライドも容易い。若干、グランドツアラー寄りの特性を得ているだけに過ぎない。

トヨタ・スープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)
トヨタ・スープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

トランスミッションには、6速マニュアルも追加されている。だが8速ATも極めてスムーズで、日常的には乗りやすく感じられるはず。

英国で提供されるトリムグレードは2種類。3.0Lのベースグレードには、19インチのアルミホイールにアダプティブダンパー、ブレンボ社製のブレーキ、アクティブ・ディファレンシャルが標準装備される。

ほかにも、ヒーター付きのアルカンターラ張りスポーツシート、8.8インチ・タッチモニター、ナビ、デュアルゾーン・エアコン、アダプティブ・クルーズコントロール、リアカメラなど装備は充実。まったく不便は感じないだろう。

英国で良く売れているのが、ひとつ上のプロ。内装が広範囲にレザーで仕立てられ、ヘッドアップ・ディスプレイにスマートフォンのワイヤレス充電機能、JBL社製の12スピーカー・サウンドシステムなどが盛り込まれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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