ポルシェ911 詳細データテスト 魅力的なMT ハードな足回り できればよりアナログなシャシーを

公開 : 2023.09.09 20:25  更新 : 2023.10.24 20:14

内装 ★★★★★★★★☆☆

カレラTの特徴となっているアゲートグレーのパーツは、内装にも多数使われている。さらに有償オプションで、シートベルトやシートのディテール、カーペットのステッチをスレートグレーにすることもできる。しかし、ショートストロークのシフトレバーは選べない。マットブラックに車名ロゴの入ったシルプレートは、控えめながら他グレードとの差別化ポイントだ。

主要な操縦系のレイアウトとエルゴノミクスは、おおむねベリーグッド。低く、サポートの効いたドライバーズシートは、背の高いドライバーでも満足できるスペースを備えている。ステアリングコラムの調整幅は広い。ペダルはやや室内側へオフセットしているが、数十年前の911ほどひどくはない。

3つのペダルは、やや左に寄っているが、昔の911ほど極端ではない。GTステアリングホイールは標準装備だ。
3つのペダルは、やや左に寄っているが、昔の911ほど極端ではない。GTステアリングホイールは標準装備だ。    JACK HARRISON

MTのシフトレバーは扱いやすい位置にある。その近くには、二次的操作系でも重要なものが配置される。視認性は、少なくともスポーツカーの基準に照らすと、全方位ともかなりいい。

メーターパネルはデジタルとアナログのミックスで、ポルシェではよく見るもの。さまざまな情報から必要なものを選んで表示できるので、走行中にインフォテインメントディスプレイを注視する機会は減る。

小径のGTステアリングホイールは、操舵入力のダイレクトさを増す。その右側には走行モードのセレクターが据え付けられ、ウェット/ノーマル/スポーツ/スポーツプラス/インディヴィデュアルが選択できる。

積載スペースの実用性は、このクラスではすばらしいものだが、それは911に期待されるとおり。132Lのフロントトランクは大きめのスーツケースも収まり、後席に相当するスペースは大きな荷物も収まるスペースと、リアウインドウ下の固定用ポイントが備わる。さらに、無償オプションで後席を取り付けることもできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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