ポルシェ911 詳細データテスト 魅力的なMT ハードな足回り できればよりアナログなシャシーを

公開 : 2023.09.09 20:25  更新 : 2023.10.24 20:14

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

インフレ傾向にあっても、911の値上がり幅は大きい。2019年にテストした992カレラSのPDK仕様は18%高くなった。アウディR8も同様の値上げ率だが、ジャガーFタイプRは10%程度で、BMW M4コンペティションやマクラーレンGTは3%にとどまっている。

そのため、10万7770ポンド(約1983万円)というカレラTの価格に驚いたテスターがいたのも無理はない。ポルシェは人気の高さゆえに残価も高い。そこを見込んだユーザーから不満の声があまり上がらないのを見越して、強気の値付けをしているという印象だ。

992の残価率はやはり強い。価格は高いが、Fタイプに比べれば、3年後の損失が3000ポンド(約55万円)抑えられる。
992の残価率はやはり強い。価格は高いが、Fタイプに比べれば、3年後の損失が3000ポンド(約55万円)抑えられる。

そうは言っても、400psに満たないスポーツカーに、10万ポンド(約1840万円)以上の値付けをしている量販スポーツカーが、しかも、それでも売れるという自信のあるメーカーが、はたしてどれだけあるだろうか。装備内容も自信の根拠なのかもしれないが、サスペンションとパワートレインがアップグレードされたらさらにうれしいことになっていたはずだ。

はたして、これがコスパ最強の911かというと、価格などを考えるとそうは見えないだろう。それでも、ツーリング燃費が14km/L近く、満タンで650km以上走れる上に、荷物を積むにも困らないスポーツカーは希少だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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