ポルシェ911 詳細データテスト 魅力的なMT ハードな足回り できればよりアナログなシャシーを

公開 : 2023.09.09 20:25

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

カレラTを大雑把に説明すると、カレラSのもっともスポーティなチューンのシャシーに、現行911でもっとも非力なカレラ仕様の385psユニットを積んだクルマということになる。

エントリーレベルの911カレラに対し、ポルシェは10mmローダウンしたアダプティブサスペンションのPASMスポーツを追加。これは通常、カレラS以上のモデルにオプション設定されるアイテムだ。

ドアミラーやホイールに塗られたアゲートグレーは、カレラTのアクセントカラー。ブレーキディスクが小さく見えるが、これはカレラSのホイールに、20mm小さいカレラ用ディスクを組み合わせているからだ。
ドアミラーやホイールに塗られたアゲートグレーは、カレラTのアクセントカラー。ブレーキディスクが小さく見えるが、これはカレラSのホイールに、20mm小さいカレラ用ディスクを組み合わせているからだ。    JACK HARRISON

また、ホイールはカレラS用の前20インチ/後21インチ。アクティブスポーツエキゾーストや、PTV機械式リアLSD、スポーツクロノパッケージとダイナミックエンジンマウントも標準装備される。テスト車に装備された4WSはオプション。しかし、アクティブスタビライザーのPDCCは用意されていない。

トランスミッションは、7速MTが標準装備。DCTも設定されるが、385psユニットと3ペダルの組み合わせが選べるのはこの仕様だけだ。

軽量化策としては、シート表皮をカレラのレザーに代えてファブリックのスポーツテックスとし、+2のリアシートを排除した。ガラスやバッテリーも軽量版として、遮音材のほとんどを取り去っている。

991世代のカレラTは、インフォテインメントシステムも標準装備されず、室内のドアハンドルは布のループ。さらに、軽量フルバケットシートや、専用の軽量ホイールとパッシブダンパーもスタンダードだった。今回、バケットシートはオプションで、軽量ホイールや専用パッシブダンパーは用意されていない。

結果、燃料とドライバー抜きでの重量は1470kgとなり、これは911GT3のMT仕様より52kg重いが、カレラSよりは10kg軽い。さらなる軽量化を図れば、価格はもっと上がってしまったはずだが、カレラとカレラSの間に収まった。とはいえ、10kgでは売りにできるほど軽くなったとは言い難い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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