一部内装材に「キノコ」を使用 新型キアEV3、コンセプト初公開 韓国のEV攻勢が止まらない

公開 : 2023.10.16 06:05

・キアの新型電動SUV「EV3」のコンセプトモデルが公開。
・BセグメントのコンパクトEV、2024年発売予定。欧米にも導入か。
・大胆なエクステリアデザイン。「菌糸」を使ったコンソールも。

次世代の小型電動SUV

韓国の自動車メーカーであるキアは、新型EVの「EV3」のコンセプトモデルを公開した。

EV3は小型のBセグメントSUVで、欧州や米国市場への導入も見込まれる。キアのEVラインナップにおける最新モデルであり、2024年に発売予定とされる。

キア・コンセプトEV3
キア・コンセプトEV3    キア

現在販売されている同クラスのソウルEVと入れ替わるような形で投入されるが、デザインは大きく異なる。実際、コンセプトEV3のボディサイズは明かされていないが、ソウルEVよりもわずかに大きく見える。ボクシーなスタイリングと、リアに向かって曲線を描くルーフラインが特徴的だ。

ミドルサイズのEV5やEV9との類似性が高いが、低いフロントセクションや刷新されたLEDヘッドライト、シャープなラインと滑らかなボディフォルムなど、新しい試みも見られる。

キアのデザイン責任者であるカリム・ハビブ氏によると、EV3で重視したのは使いやすさと柔軟性の融合であり、フェンダー部分のボディクラッディングなど、人気の高いデザイン要素を採り入れているという。フロントガラスは前方に押し出され、室内空間を最大化するために角度を立てている。

持続可能な内装材

コンセプトモデルのエクステリアは市販バージョンに「かなり近い」とのことだが、インテリアはそうでもない。リアドアは後方に開くタイプで、ハビブ氏によると、これはインテリアをよりよく見せるためのものだという。

インテリアは比較的ミニマルで、ドライバーディスプレイとインフォテインメント・デイスプレイが1枚のパネルに収められている。ステアリングホイールは少し変わった形状で、キアのロゴが右側にオフセットされている。ダッシュボードに物理的なコントロールはない。

キア・コンセプトEV3
キア・コンセプトEV3    キア

フロントシートの間にはテーブルのようなセンターコンソールがあり、4つのポジションに設定できる。コンソールの表面には、キノコの根を培養して作られる菌糸が使われており、特殊な処理によって革のような質感になっているという。

キアはこのような持続可能素材の使用を拡大しようとしているが、菌糸体はまだ本格的な量産には適していないと考えられる。

シートも天然素材で作られている。リアシートはフラットに折りたたむことができ、荷室を拡大できる。

EV3はヒョンデ・グループのEV用プラットフォームのE-GMPを採用し、技術的な詳細は明らかにされていないが、複数のバッテリーサイズを設定する可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事